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世界各国で日本食がもてはやされるようになって久しいですが、ドイツもまた例外ではありません。一時的な流行を過ぎ去って、日常の食生活の一部として溶け込むまでになってきている、と思います。ただし、『Sushi』だけですが。
どのくらい溶け込んできているかと言うと、まず、私の住んでいるハンブルク市にある空港。飛行機を降りて、預けておいた荷物を受け取り、税関を過ぎ、迎えの人たちが待っているロビーに出ると、真正面に『SASHIMI Sushi』のお店がデデーンと構えています。垂れ幕には、「お持ち帰り、機内持ち込み」と日本語で。お店の前にあるテーブルでは、ドイツ人と思しきおじさんが、日本産のビールを飲みながら、箸で『Sushi』をつまんでいます。冗談みたいですが、本当です。
そして、このお寿司屋さん、到着ロビーのみならず、なんと搭乗を待つロビーにもお店を構えているのです。ミュンヘンやフランクフルトに比べると、かなり規模の小さな空港なのに、お寿司屋さんが2店もあるなんて。ちなみに、ハンブルク空港にはマクドナルドも、スターバックスもありません。
街にも、もちろんあります。お寿司屋さん。回転寿司も。ドイツで回転寿司には一度しか行った事はないのですが、いろいろなものが回っていました。各種寿司はもちろん、ミニ焼き鳥や、魚のムース等の前菜系、デザート、一見デザートのように見える生クリーム絞り袋から美しく絞り出されたワサビ・・・。語学学校の先生はそれをデザートだと思ったらしく、スプーンで一口すくって食べてしまったそうです。死ぬかと思った、と言っていました。
回転寿司といえば、近所のスーパーでも『回転寿司』とラベルに書かれた寿司を作るために必要な食材が並んでいて、必要とあればいつでも購入する事ができます。寿司酢に、がり、巻きす、海苔、ワサビ、米。ただし困った事にそんなスーパーにも魚は売っていません。魚は魚屋さんか市場で、ということなのでしょうか。もしかして、割り箸も売ってるかな?と探してみたのですが、割り箸も売っていませんでした。巻きすはあるのに・・・。
そんなわけで、日本の総理の名前は知らなくても、『Sushi』という単語はほとんどの人が知っている状態です。しかし、『Sushi』ばかりが有名になってしまったので、「日本人は、毎日、生の魚を食べているんでしょ?」とか、「日本人主婦なのに、寿司が握れないわけはない。今度作ってきてくれ!」とか、「是非、本場の作り方を教えて!」などと言われる事も日常茶飯事。『Sushi』は見た目がシンプルなだけに、寿司がちゃんと握れるようになるまでには何年も修行しなくてはいけないんだ、ということを伝えるのは結構たいへんです。なので、適当に寿司を握ってみたり、適当に作り方を教えてしまったりしています。
ドイツの書店では、寿司の作り方が書いてある料理本も好評発売中なので、1冊持っているとドイツ語で作り方を説明する際にとても便利です。また、盛り付け方はさすが西洋、美しくおしゃれで大変勉強になります。余談ですが、先日本屋さんへ行ったら『Sex & Sushi』という小説本が山積みになっていました。ここまでくるともう、なんでもありですね。
-文中の画像-
画像上:日本人の経営する日本食レストランで食べたちらし寿司。やっぱり直営店は味が違う。
画像下:スーパーの寿司食材コーナー
  
画像:ドイツの書店で売られている書籍。左から順に、『sushi』(Kimiko Barber, Hiroki Takemura Dorling Kindersley著)、『Sushi』(Andreas Furtmayr著)、『Sex & Sushi』(Claudia Singer著)こちらは料理本ではなく小説。
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