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久しぶりに気持ちよく食事をしたように思います。そこは何の変哲もないイースト・ビレッジの一角。まず目に飛び込んできたは、「真っ赤な炎」でした。
いまニューヨークには「バーベキュー・フィーバー」の嵐が吹き荒れているそうです。地元で人気の情報誌「New York」によれば、今年になってオープンしたバーベキュー・レストランは10軒を下らないでそうで、ならば、その嵐に敢えて巻き込まれてみようと出かけたのがこの夏イースト・ビレッジに登場したSmoked (103 Second Ave. @ 6th Street/ TEL 212-388-0388)というレストランでした。炎の写真が実に誇らしげに飾ってある店内では、すでにキャンドルの灯りの下、2人の女性が楽しそうに食事をしていました。
実は、私の中のこれまでのバーベキュー・レストランのイメージといえば、イコール、マッチョ! とてもじゃないが女友達と寄れる場所ではありませんでした。だいたいにして、量は多いは、油ギトギトだはで、いつもお腹が痛くなる始末。だから、このフィーバーを聞きつけても疑心暗鬼に陥るばかり・・・・だって、これ以上、お腹痛くなりたくないですから!
が、敢えて挑んだ久しぶりのバーベキュー・レストランで、女性たちはマカロニ&チーズとコーンブレッドをお供に、こんがりと焼き上がったリブをぱくぱく、実にテンポよく口に運んでいます。う〜ん、見るからにおいしそう! しかも、四角い白いお皿がいまどき風!! ということで、私もバーベキュー・チキン・サンドイッチをオーダー・・・・お!おこげが香ばしく、チキンは適度に柔らかい! それに、挟まれているスイートなソースにサイドで出されたホットソースをのせると、なぜかこれが絶妙にうまい! キャンドルに照らし出されたチキン・サンドは、私のお腹を痛めるどころか、ほどよく満腹にしてくれたのです。
地元の新聞「New York Post」もこのフィーバーに関する記事を掲載しましたが、なんと、「いつからこうした動きが始まったのか明言するのが難しい」というのです。それは、ニューヨーカーが愛して止まない名店、ユニオン・スクエア・カフェのオーナーが数年前、Blue Smoke ( 116 East 27th Street Park AveとLexington Ave.の間/ TEL 212-447-7733)をオープンさせたからなのか、それともDinosaur BBQ (646 West 131st. Street @ 12th Ave. / TEL 212-694-1777) がハーレムで大ヒットしたからなのか、はたまた、400を超える賞を受けたカンザス・シティのバーベキュー大使がこの春、RUB (208 West 23rd Street @ 7th Ave. / TEL 212-524-4300) をオープンさせて本格バーベキューをニューヨーカーに提供し始めたからなのか、などとあれこれ悩んでいる内容です。
しかも、「そもそも何故いまさらバーベキュー?」という疑問ついては、私もかなりネットなどで探してみましたが、明確な答えを出してくれる人をとうとう見つけられずに今日に至っております。だから、「ああ、まったくもって不思議なフィーバーだ」とぶつぶついいながら出かけたイースト・ビレッジでもあったんです。
が、私はそこで一つの答えを見た気がしました。それは、「何人でもバーベキューが好き!」という実にシンプルな答え。バーベキューとはアメリカ人にとってはまさに夏の風物詩。日本人が夏に花火を見ないとどうもしっくり来ないのと一緒で、これを夏に食べないとアメリカ人は落ち着かないのです。しかもこの料理、準備は簡単で、調理といっても焼くだけのシンプルさ。なのに、わいわい騒ぐパーティなどには持ってこいなわけです。きっとそれぞれのご家庭の流儀や味ってやつもあるだろうから、ある意味、日本人家庭の「鍋」みたいな部分もあるのでしょう。が、ここニューヨークの狭いアパートではなかなかバーベキュー・パーティを開くことができません。だから、おいしいバーベキューがあると聞くと、ついつい出かけてしまうのがニューヨーカーなのではないか、と。
しかもその晩のSmokedには各種人種が実にバランスよく揃っていました。アジア人(私と中国系とお見受けした7.8人のグループ)、黒人(カップルと4人程のグループ)、そして白人(隣の女性たちを含めて10名ほど)。しかもそれは、老若男女を問いません。実はこういう風景、ニューヨークとはいえかなり珍しいんです。若者はいても老夫婦はいないとか、白人は多数いても黒人は極少数とか、多くの場合、そのバランスは崩れています。だから、チキンのおいしさに加えて、久々にこんな見事なバランスを見たために、とてもハッピーな気分になったのです。そして、気づいたことがありました。それは、どんな背景で育ってきていても、「バーベキュー」とは、みんなの心にある楽しい食事の風景なんじゃないか、ということ。となると、逆になんでいままで素敵なバーベキューの店がなかったんだ!いう思いもふつふつと沸いてきます。
アメリカはいま様々な問題を抱え、ハリケーン災害が思わず、人種の問題も露呈しています。でも、「バーベキュー」には良きアメリカが残っています。肌の色なんかに関係なく、誰もがバーベキューの思い出を持っているんです。だから、夏はすっかり終わってしまいましたが、それでも「アメリカの幸せな夏の思い出」をこれからどんどん寒くなるなかで、ぜひぜひ楽しんでいただきたいと願いつつ、いまこれを書いております。バーベキューはフィーバーで終わらない! バーベキュー、ばんざ〜い!!
その他の最近話題のバーベキュー・レストラン:
□Bone Lick Park
75 Greenwich Ave. @ Bank St. / TEL 212-647-9600
□Daisy May’s BBQ USA
623 11th Ave. @ 46th St. / TEL 212-977-1500
□Rib
357 West St. / TEL 212-336-9330
画像右上:この燃える炎がSmokedのトレードマーク。
画像左上:Smokedのバーベキュー・チキン・サンドイッチ。サイドのフレンチフライもかなりイケます。
画像右下:本格派バーベキューのRub。テイクアウトもすぐできます。
画像左下:Rubのご自慢、ロング・エンドのリブはかなり肉厚!! このボリュームで$12.57。2回に分けて、食べました。
さて、これを最後にしばらく「各国いまどき報告・ニューヨーク」はお休みに入ります。これまで、だらだらと読んでくださった皆様、本当にどうもありがとうございました! いつかまたお目にかかれる日まで、さようなら〜!!
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