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私がその場に着いた時には、すでにたくさんの人が集まっていました。ここはローワー・イースト・サイドのOrchardストリート。これからこのストリートでファッションショーが行われると聞いてやってきたのですが、残念なことに、屋台にむらがる人の頭しか見えません。思わず、「え?もしかして、ただのストリート・フェスティバル!?」と、うなだれかけたその瞬間、遠くのほうに、何ともかわいらしい白いテントの三角頭が見えました。
ニューヨークで「テント」といえば、「サーカス」または「ファッションショーの現場」のこと。「ああ、よかった。やっぱりやるんだ」と、安心したのも束の間、中を覗いてみると、そこはまさに戦場です。ばたばたと狭いテント内を人が駆けずりまわり、「開演」まで間もないのというのに、まだモデルのフィッティングも終わっていないような雰囲気もちらほら・・・。結局、「あ〜、もうすぐ始まるから、外で待ってて〜!」と言われた私は、そのまま外で30分程その「開演」を待ちました。そう、ファッションショーに「遅れ」と「待ち」はつきものです。
でも、そもそも何故デザイナーがショーをするのかというと、答えは簡単、たくさんの人に見てもらいたいから。見てもらって、気に入ってもらえれば、買ってもらえる=ビジネスに繋がるからです。でもショーを行うためにはそれなりの資金、つまりお金がないといけないわけで、ここが若くて名もないデザイナーたちの大きな壁になります。因みに、コレクションのメイン会場となるブライアント・パークのテントは借りるだけで数万ドルを要します。だから、名のあるデザイナーでさえ、資金繰りに詰まり、コレクションから一時撤退、なんてことがしばしば起こるのです。
だからこそ「STORES A-GO-GO」と名付けられた、まるで「街のお祭り」のようなこのファッションショーには大きな意味があります。このショーは、ここローワー・イースト・サイドを中心にダウンダウンに拠点を置く若手デザイナーをヒューチャーし、そのメイン・スポンサーに、この地のビジネスのさらなる活性化を願う非営利団体がついています。そして、これまた地元に拠点を置くオンライン・ブティックのオーナー兼デザイナーのM Shop NYCと、そのパートナーのFunky Lala という二人の女性が中心になってその運営、進行をしているのです。
M Shopさんは数年前までダウンダウンでブティックを経営していましたが、2003年にオンラインショップをオープン、現在そこで、若いデザイナーやアーティストの作品を販売しています。また、Funky Lalaさんは地元の雑誌などにファッション関連の記事を寄せる他、イベントを主催したり、これからのデザイナーのためにワークショップを開いたりしている人物です。
そんな二人と地元の非営利団体、そして、若手デザイナーたちが「メイン会場に負けるな!」とばかりに繰り広げた「STORES A-GO-GO」にはダウンダウンらしいパワーが溢れ、その自由奔放でファンキーなコレクションの数々に、招待客ばかりか道行く人々も大きな拍手を送っていました。ビルの屋上から見ることができるファッションショーって、ほんと、いいものです。
有名デザイナーたちとのそれとはまったく異なる、この青空ファッションショーに、もしかしたら、これが本当のファッションショーの姿ではないかと思いました。そこに、「みんなで一緒に応援して、そして一緒に大きくなろうよ!」という確かなメッセージがあったからです。「いつかこの地から世界に飛び出すぞ!」という大きな夢も見えました。
そして、最後に付け加えたいことは、運営・進行役のM Shop NYCさんとFunky Lalaさんは、「How to Manufacture and Produce Your Designs」($17.00)という本も出版しているということ。下記サイトにその他の情報を含め、詳細がありますので、でっかい夢をお持ちの若手デザイナーの方々などは、ぜひ覗いてみてください。覗くだけの価値はあると思います。
-参考サイト-
M Shop NYC::www.mshopnyc.com
Funky Lala::www.funkylala.com
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