■ニューヨーク・コレクションに見る、みんなためのNY情報(5)
 シンデレラ・ガールのSexy. Feminine. Glamorous. Sophisticated.
2005.3.7 update

今回は、この春夏コレクションの中でも特に華やかで、フレッシュで、キュートで、それでいてとてもセクシーで、優しくて、観ていて心が春の空のように、実に晴れ晴れとしたショーをご紹介しましょう。

デザイナーの名は、ミッシェル・スミス。彼女は、アート、映画、ファッション、音楽の分野で次世代を担う新人の発掘を手がける団体、GEN ARTが主催するファションショー、Fresh Faces in Fashion 2002に登場し、その後、確実に進化する若手デザイナーです。これまでザック・ポーゼンを紹介するなどしているこのGEN ARTのショーは、新人デザイナーの登竜門的存在としても広く知られているのですが、どの世界にもデビューしても、その後、一向に伸びない新人って大勢いるではないですか。だから、この競争だらけの厳しい世界で常に成長するミッシェルさんは、きっと本物のシンデレラ・ガールなんだと思うのです(画像:ショーを終えて、ゲストたちの歓声に応えるミッシェル・スミス)。

驚かされるのは、決して長くない、その経歴です。幼い頃から洋服が大好きだったというミッシャルさんは、アートスクールの奨学金を得てファッション・イラストレーションを学び、キモチが自然に「ニューヨークに行きたい!」という方向に向かったため、ニューヨーク市内にあるファッションの名門、FIT(ファッション工科大学)に進学します。在学中、エルメスでアルバイトをするのですが、そこで「ヨーロッパのファッション」を目の当たりにした彼女は、今度は、大学を卒業するにあたり、「パリに行きたい!」と強く思うようになり、驚くべき大胆な行動に出ます。彼女はなんと、エルメスの社長に「見習いとしてパリで雇ってほしい」という手紙を書くのです。

Michelle Smith


幸運なことにその手紙は社長の目に触れ、彼女は希望通り、パリ勤務となりました。エルメスがアメリカ人の見習いをパリに送るのは、その長い歴史始まって以来、初の出来事だったそうです。パリに渡った彼女は、その後もデザイン・スクールで勉強を続けながらルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオールで見習いを続け、3年間を過ごします。そしてニューヨークに戻った彼女は2001年、自らのブランド、ミリー・バイ・ミッシェル・スミス Milly by Michelle Smithを立ち上げるのです。

下の画像は、そんなミッシェルさんの最新春夏コレクションです。
テーマは「Sexy. Feminine. Glamorous. Sophisticated.」!


さて、私は不用意に彼女を「シンデレラ・ガール」と呼んだわけではありません。シンデレラになるためには条件がありますものね。シンデレラは継母たちのいじめに耐えながらも、王子様に巡り会いたいという強いキモチを失わなかった。だから、最後に王子様に巡り会うんです。状況は違っていても、ミッシャルさんが素敵なシンデレラだと思えるのは、ファッションに対する熱い想いを失わず、時に大胆な行動をとりながらも一生懸命、真面目に前に進んだから。大体、「自分の希望勤務地はパリだ!」と決めたからといって、普通、社長に直訴したりしませんよ。

それってやっぱり「情熱」なのかなと思います。それが人を突き動かすのかと。だから、ミッシェルさんの話は勉強になります。いまいち一歩踏み出せないとか、動けないとか、人生にはいろいろあると思います。そんなときはやっぱり自分のキモチに問わなきゃいけない、「情熱はあるんですか?」と。

すでに2005年秋冬コレクションも発表済みのミッシャルさんですが、それは黒を基調に、グっと大人な雰囲気なショーに仕上がっています。そう、進化は続いています。今後もぜひぜひご注目くださいませ!

-参考サイト-

ミリー・バイ・ミッシェル・スミス(Milly by Michelle Smith):www.millyny.com
トップ頁の[locations]をクリックすると、アメリカのみならず日本での取扱店もわかります。

GEN ARTwww.genart.org
アート、映画、ファッション、音楽の分野で次世代を担う新人の発掘を手がける団体

FITwww.fitnyc.suny.edu/html/dynamic.html
Fashion Institute of Technology, NY=ニューヨーク州立ファッション工科大学


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