■美味しい「ニューヨーク・ルネッサンス」のお話 2004.1.5 update

アメリカ国内第2位の面積と生産量。しかも国内最古のそれもアリ。これだけで何のことを書いているのかおわかりになった方は、かなりの「通」でいらっしゃる!

突然ですが、我が家の家訓は「美味しいものは美味しいうちに」。なので私には、地元で採れるものや作られるものについ惹かれ、どこかに出掛ける度に「その土地の美味しいものにいかにありつくか」ということで頭がいっぱいになるという習性があります。そんな私が、初めて「それ」に出会ったのはかれこれ10年程前になりましょうか。それは地元の新鮮な野菜や果物が数多く並ぶユニオン・スクエアーのグリーン・マーケットでのこと。白くて、軽やかな香りと上品でフルーティな甘さを持つ「それ」が爽やかに喉を通り過ぎた瞬間、すっかりファンになったのです。

そう、「それ」とはニューヨーク・ワイン=ニューヨーク州で作られるワインのこと。調べによると、ニューヨーク州には国内第2位の広さを誇る葡萄畑があり、年間約1億本のワインが生産されているというのです。主な産地はLake Erie & Chautauqua, Finger Lakes, Long Island, The Hudson Valleyの4カ所。ということで今回、「アメリカン・ワインと言えば、カリフォルニアよネ!」と思っていらっしゃる方に、「そうでもありませんゼ」とお伝えしたばかりにレポートしております。

さて、そうとなればまず歴史・・・・と調べていくうちに、驚くべき事実を発見いたしました。それは、カリフォルニアに初めて葡萄が植えられる100年前、1677年にフランス人の手によってThe Hudson Valleyに葡萄が植えられていたということ。知らなかったですね〜、そんな昔に、しかも、かの有名なカリフォルニアより100年も前にニューヨークでワイン作りが始まっていたなんて!

とはいえ、当初は家族用のものだけだったようで、商業用に初めてヨーロッパ産の葡萄が植えられたのは1827年になってから。が、緯度は南仏や北スペイン、イタリア中部に近いのにThe Hudson Valleyの気候は湿度、降水量ともに高く、しかも低温。ということで苦労が絶えなかったようです。そのため地元の葡萄とヨーロッパのそれを掛け合わせるという過酷な作業が20年も続き、そんな中で国内最古の商業用ワイナリー、Brotherhoodの前身が1837年に完成(1855年にこの名前に改名)、その後、かなり時が経ちますが、1950年代後半になってChardonnay, Merlot, Cabernet Sauvignon, Riesling等が植えられるようになりました。1970年代に入って、主な4つの産地の中で最も歴史の浅いLong Islandエリアに初のワイナリーがオープン。今では50を越えるワイナリーが点在しています。

もっとも、ニューヨーク・ワインが広く知られるようになったのはここ15年のことと記す資料もあり、始まりは17世紀でも、本格的な「ニューヨーク・ワイン・ルネッサンス」が興ったのはつい先日のことと言えるようなのです。つまり、ニューヨークは世界でも他に類を見ないほど、近年になって急成長を遂げたワインの生産地。確かに、10年前あのグリーン・マーケットの白ワインが突如姿を消し、二度と再会できなかったという悲しい事実からすると、今はまさに天国です。たくさんニューヨーク・ワインが本当に気軽に買えるようになったのですから。これを「ルネッサンス」と呼ばずして何と呼ぶ!

ということで、地元ニューヨーク・ワイン・ファンがこよなく愛するマンハッタンのショップを2軒ご紹介します。店員さんお勧めの「この冬にぜひ飲みたいワイン」と共にどうぞ。

VINTAGE NEW YORK
The Hudson ValleyにあるRivendell Wineryが展開するワイン・ショップ。2000年のオープン以来、ニューヨーク・ワインを知るならココ!と大評判。5ドルで5杯のテイスティングができるほか、定期的に開かれる様々なワークショップ(有料)も好評。200種類を越える品揃えはさすがとしか言いようがない。お勧めはRivendell Wineryの2001 Trilogy Chardonnay ( $10.99) とアワード・ウイニングの2002 SoHo Cellars Riesling ( $12.99)。
482 Broome Street (@Wooster St.) Tel: 212-226-9463
2492 Broadway (@93rd St.) TEL: 212-721-9999
www.vintagenewyork.com

BEACON WINES & SPIRITS
「BEACON WINES TOP 10」などの独自ランキングが実にユニークなショップ。ニューヨーク・ワインは20種類と数は少ないものの人気の高いものだけを確実にストック。金・土曜日17時から始まる無料テイスティングも見逃せない。お勧めはBEACON売り上げNo.1のBedell Cellars1999 Merlot ($14.99)。2000年ものは受賞歴もあり。
2120 Broadway (@74th St.) TEL: 212-877-0028
www.beaconwine.com

冬はワインが実にウマい。しかも地元のものは安いし安全。だから私はニューヨーク・ワインにハマるのです。とはいえ、好みのワインを見つけるのって至難の業。なので、「テイスティングが一番!」などと言いながら飲み続けている今日この頃です。「・・・・だって、ワインと言えばニューヨーク!と言われる日が来るまで、ファンとしてはがんばらないといけないし・・・・」ってないいワケも許していただけるでしょうか?

ともあれ、「ルネッサンスなニューヨーク・ワイン」を一人でも多くの方に楽しんでいただきたいと思っております。マジでですね、お手頃価格だし、お土産にも最高だと思いますよ。










画像右上:VINTAGE NEW YORKのアッパーウエストサイド店
画像左上:「ニューヨーク・ワインのこともっと知りたい?」と語りかけるVINTAGEの看板。5ドルで5種類のワインがいただけます。
画像右中:VINTAGE NEW YORKお勧めのRivendell Winery 2001 Trilogy Chardonnay(左)はすっきりドライ、2002 SoHo Cellars Riesling(右)は絶品セミスイートです。
画像左中:BEACON WINEは金曜、土曜は深夜0時まで営業。
画像右下:BEACON WINEのウインドウには「トップ10」が並びます。
画像左下:BEACON WINEお勧めのBedell Cellars1999 Merlot。でも実は、2000年モノが飲みたかった!


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