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日頃からアメリカ人の美的感覚についていけない私に、先日、某テレビ番組が留めをさすニュースを流した。「キャベツ人形新モデル、今秋発売」! 「キャベツ人形って、かつて一世を風靡した、あの全然かわいくない人形??」という程度の認識しかない大人たち、そして、名前すら知らない少年少女のために、まずは簡単にキャベツ人形の歴史をご紹介しよう。
キャベツ人形は、本物の子供に見える人形を目指して作られ、当初は"リトル・ピープル"と呼ばれていた。この人形の生みの親が幼い頃、「キャベツから生まれた」と聞かされていたので、その人形をキャベツ人形と命名し、1982年、大量生産に踏み切った。当時、全米での大流行の波は世界に押し寄せ、それは実に1986年頃まで続いた。
そして昨年11月、タイムズスクエアに「トイザラス」がオープンした際、キャベツ人形新モデルが発売され、今秋、ついに我らがヒーロー、ファイアーファイター(消防士)モデルが、全米での発売に先駆けてここ「トイザラス」にお目見えした。今年、キャベツ人形は生誕20周年(正確には大量生産されてから20周年)を迎える。
しかし、なぜに今更キャベツ人形なのか?だって、かわいくない!彼らの魅力について疑問を拭えないまま店に足を運ぶと、なんと、まんざらでもない盛り上がり。売り場には大きなキャベツが置かれ、そのまわりにキャベツ人形の赤ちゃんがたくさんくっついている。その外側の棚にもキャベツ人形幼児バージョンがところ狭しと並べられ、それらを見るお客さんたちもかなりご満悦の様子。中でも20代のアメリカ人女性は大はしゃぎ。「小さい頃、大好きだったの。それがまたここにあるっていうからこれは買わなきゃと思って!」一方、店員を質問攻めする小さな子供は、「キャベツ人形のママは誰? 9ヶ月もキャベツの中にいるって?キャベツがママ?意味わかんな???い!!」
が、こんな風景を見守っているうちに、キャベツ人形の最大の魅力は、その「リアリティ」にあるのではないかと気がついた。なぜなら、この「人形離れ」したかわいげのなさと共に、様々な趣向で「バーチャル子育て」をあと押しているからだ。例えば、キャベツ人形を買うという行為は「養子縁組」とみなされ、「出生証明書」まで発行していただける。こうくると気分はもう、「この子に愛情を注がなければ!」となること請け合い。さらに、全ての肌、瞳の色、人種や形を取り揃え、各々の名前と誕生日まで明記されていることも他のお人形と一線を画している。ちなみに、キャベツ人形を購入できる店舗は他にあっても、この制度を受け継いでいるのは「トイザラス」だけだ。
いまのところ、キャベツ人形に特別な関心を抱くのは、一度ブームを体験してしまった大人たちだけようにも見受けられるが、今後、子供たちの間でも人気を博す可能性はある。その理由は他でもない、あのまったくかわいくない顔!愛情を注ぎたいという気持ちが人類共通の本能で、その対象が現実味をおびている必要があるとするならば、キャベツ人形に熱狂したかつての子供たちの気持ちは容易に理解できる。だからこそ、それに魅了されるのは20年前の子供だけに留まらないと思えてくるのだ。
「リアリティ」への飽くなき追求の結果生まれたあの顔とこのシステム。キャベツ人形は、再び世界に旋風を巻き起こすのか、否か。ともあれ、新世代達の健闘を祈るばかりである。
画像右上:
黒人と白人の、赤ちゃんバージョン。どちらにも名前とお誕生日がちゃんとあります(39.99ドル)。ちなみに幼児バージョンは59.99ドル。残念ながら「消防士モデル」は超人気のため、売り切れで、写真におさめることができませんでした・・・・。
画像左上:
ナスダックの隣に堂々オープンの「トイザラス」タイムズスクエアー店。かなり広い店内には、行列の出来る観覧車もあります。乗ってみた〜〜い!ということで、大人も確かに楽しいかも。
画像右下:
このモニターは、大きなキャベツのところについています。そこでビデオが流れます。なぜ、キャベツ人形がキャベツなのかを説明をしているのです。で、子供はそれを観て、質問の嵐に襲われます。
画像左下:
養子縁組(アダプション)センター。つまり、キャッシャーです。ここで、出生証明書も受け取れます。
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