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ブラジル エンブー「エンブー民芸品市場」

サンパウロから28キロ離れた隣町、エンブー市の郊外にカルロス・カサパーヴァさんの自宅はありました。カルロスさんは、ブラジルの格闘舞踊カポエイラに欠かせない伝統的楽器ベリンバウ作り職人になって20年、演奏家としても活躍しています。カポエイラは、アフリカから奴隷として連れてこられた黒人たちが編み出した護身術。それを盛りあげるベリンバウは、1本の弦を弓上の棒につけ、共鳴箱の役割をする“ひょうたん”を、音の調整もする紐で縛りあげたユニークなかたちの楽器です。製作工房は、自宅の一階部分にありました。

午後1時、キッチンでは奥さんのアレシャンドラさんがランチの準備。手にしているのはマンジョーカ芋の粉。マンジョーカ芋は先住民族の食べ物でしたが、今やブラジル料理には欠かせないものになっています。でんぷん質に富んだ粉を、油を引かずにフライパンで焼きます。クレープのように焼けたらココナッツを上へ。これがブラジルの家庭料理タピオカで、バターを塗って食べます。軽い食べ物のようですが、食感はお餅のようで腹持ちがよく、子供たちの大好物です。他にもテーブルにはパンやケーキ、フルーツなどが並べられました。

長女マヤラさん、二女エレナさん、奥さんとの四人暮らしです。「私は幸せだよ。ベリンバウを作っている時も、演奏している時もね」とカルロスさん。アフリカ系移民を祖先に持ち、幼い頃からこの楽器に興味を惹かれていました。だからこそ、祖先が伝えたかったことやその歴史まで感じてもらえるようにとの思いを込めて作っているです。「家族は私のすべて。どんなに感謝しても足りないくらいだよ」というカルロスさん。不思議な音色で、聴く者の心をつかむベリンバウ。この楽器の謎と歴史に触れることができました。


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