番組内容
ラオス  ビエンチャン「トンカンカム市場」
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■ ラオスの首都ビエンチャン

ラオス人民民主共和中国は、中国、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムの5ヵ国と国境を接する内陸国。国土面積は日本の本州ほどの広さです。原生林の中を大きく蛇行しながら、メコン川がこの国を1,900kmに渡って流れています。日本との時差はマイナス2時間(日本が正午の時、午前10時)。首都はビエンチャン。日本からの直行便はなく、タイ・バンコク経由で約7時間30分かかります。通貨はキープ。1円がおよそ86キープ。硬貨は使われていません(2006年5月現在)。
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■街のランドマークであるパトゥーサイ

首都ビエンチャンの人口は約78万人。ラーンサーン王国が16世紀に王都をこの地に移して以来、国の中心として発展してきた街です。街のランドマークでもあるパトゥーサイはパリの凱旋門を模して建てられたもので、観光名所のひとつになっています。塔の真下には金色に輝く天井画が。内線で戦死した兵士の霊を慰めるために建てられたこの塔、現在も未完のままです。そして、タートルアンはラオスのシンボルといえる寺院。黄金に輝く美しさは壮観の一言です。これを守るように建てられた像は、かつての国王の姿。その王の名がつけられた通りが、この街の目抜き通り「セタティラート通り」。街の傍らを流れるのは大河メコン。このゆったりと流れる川の流れがラオスそのもの。あくせくせず、毎日をのんびり過ごして生きることの意義を教えてくれます。
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■トンカンカム市場

ビエンチャンで一番歴史が古いといわれる総合市場、「トンカンカム市場」。自然発生的にできた市場が私営となり、現在の形になったのは1990年。テントで覆われた露天と建物内の売り場を合わせて現在650ほどが出店しています。高い場所から見ると、敷地にはテントの花がいっぱい咲いているかのよう。露天では農家直産の新鮮な農作物が並びます。ラオスでは、朝6時から店が開き、正午には店は閉まります。「建物内の売り場の方は魚、肉、雑貨等が売られ、こちらは午後6時くらいまで営業を行っています。
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■鶏の雛の入った卵

まずは、テントの店のほうから覗いてみましょう。屋外のスペースは朝市で、地元で採れた農作物を中心に扱う店が並んでいます。ラオスでは農薬などを使わないので、どの野菜も有機栽培です。「農地も広いし、ラオスの農民は真面目よ。だから質のよい野菜が多いのよ」とは店のひとの弁。見たことがない野菜を発見! ちょっと聞いてみましょう。アンニー・メーン・ニャン?(これは何ですか)。バナナの花です。はじめてみました。どんな味なのかというと、食感はネギと同じ。味は渋みがあり、サラダにしたり、スライスしてスープの薬味として使うことが多いそうです。時期によって値段は違いますが、8,000キープ(約93円)から10,000キープ(約116円)。またまた見かけない野菜を発見! 蓮の花の根(レンコン)です。細かく切ってお湯に入れて飲めば、体の熱を冷やしてくれるのだそうです。そういえば、レンコン茶って風邪に効くって効いたことがあります。1kg7,000キープ(約81円)。

早朝にやってくるお客は、ほとんどが地元の人たち。他所よりも安く買える野菜を買い込んでいくそうです。そんな売り場に変わったものがあるというので、行ってみました。それがこの卵。普通の卵にしか見えませんが、鶏の雛の入った卵です。話には聞いたことがあるけど、見るのは初めてです。なかなかの珍味だっていうけど、どんな味がするんだろう、美味しいですか? 1個1,500キープ(約17円)。
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■出産などお祝いの時などに贈る花

テントの市場に隣接している、建物のなかの店も覗いてみましょう。こちらは、魚やお肉など生鮮食料品を扱うエリア。メコン川で捕れた立派な川魚が並んでいます。さすがはメコン、魚のサイズも大きい! イキがいいのは、コイの一種(1kg16,000キープ=約186円から)。塩焼きで食べるのが一番美味しいそうですが、この魚を大量に買う人を発見。そんなに買ってどうするのか尋ねると、自分のレストランへ持って行くのだそうです。今日は40sを仕入れていくらしい。これで1日分だそうです。

いい香りを漂わせているのは、惣菜の店。この店はいろんな麺を並べてある。バナナの葉の下には、ラオスの伝統的名食べ物、カオ・プン(素麺)が。サラダと一緒にしてもスープに入れて食べても美味しいそうです。それにしても、素麺が1kgで約46円(4,000キープ)とは安い! 白く輝いていて、これおいしそうです。どうやって作っているんでしょうか? カムハットさんのところへ行けば作り方が見られるとのことなので、明日訪ねることにしました。

市場の一番端にやってきました。この辺りは花の店が並んでいます。ラオスは仏教国だから、お寺にお供えする花かな?と思いましたが、実は仏教とは関係ないそうで、出産などお祝いの時に贈ったり、家にお客様が来るときに歓迎の意味を込めて飾ったりするそうです(35,000キープ=約406円から)。世界中、どこに行ってもキレイな花は人気なんですね。お昼、もう一度外へ出たら、もうテントの朝市は店じまい。野菜は朝の涼しいうちに売り切ってしまいます。
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■ケーン・ソム・ガイ(地鶏スープ)

正午。そろそろお腹もすいたので、メコン川沿いにある、観光客に人気のレストラン「メコン・ブリーズ」へ。この店の人気の秘密は、その環境。メコン川の雄大な景色をすぐ近くに見ながら、ゆっくり料理が楽しめます。今日のおすすめは、香草の香りたっぷりのケーン・ソム・ガイ(地鶏スープ)。草の香りがたっぷりのスープは、トムヤンクンに似た味。酸味と辛味が強く、一口食べたらその刺激で汗が噴出しました。つけ合わせにはラープ、ひき肉のサラダが口の中をまろやかにしてくれます。もち米と一緒に食べればお腹も満腹(60,000キープ=約697円)。
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■長男の陽くん、長女の花ちゃん、奥さんのテンさん

ビエンチャンで、日本から移り住んでいる人に会う約束が。日本のラーメンを作っているそうですが、どんなひとなのか楽しみ。この国でがんばる日本人は、ラーメン職人の池田雄介さん(36歳)。店の名前は「ハックチャオ(I love you)」です。少し照れくさい言葉でめったに使わないそうですが、皆に覚えてもらえるかなと思い店名にしたそうです。池田さんは大阪出身で、ヨーロッパからの帰国途中にラオスに立ち寄り、そのまま定住。2002年にラオス人女性と結婚しました。「ラオスの人は顔かたちが日本人に似ていて、日本に戻った気がした。居心地もよかったしね」と池田さん。営業時間は10時から22時。店の自慢は、味噌ラーメン(35,000キープ=約406円)です。日本のイメージがよいせいか、日本のラーメンに興味を示すひとも多いとのこと。お客さんからは「麺がやわらかくて、スープも美味しく、とても食べやすいよ」と好評のようです。

店の2階が住居、ここで妻のテンさん(24歳)、長男の陽君(3歳)、長女の花ちゃん(10ヵ月)と暮らしています。「主人はとてもすばらしい人よ。私たちの生活のためにがんばっているし、家庭もお店も大切にしていてとても満足しているわ」とテンさん。「子供たちには、日本の価値観を持ってもらいたい。ハーフでなくて、ダブルになって欲しい。そのためにも教育は日本で受けさせたい」と語る池田さん。願いは、ラオス人のお客がもっと来てくれることと、家族や従業員が楽しく過ごせればということです。
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■麺を水洗いして塩気を抜いていく

翌朝。今日は、市場で教えてもらった、カオ・プン(素麺)作りを見学することに。朝早くに!とのことだったので、6時に出発しました。車で走ること10分ほど。素麺作りを見せていただく、カムハット・ケーマニーさん(41歳)のお宅があるパックタン村に着きました。カムハットさんのお宅はなかなかの豪邸。素麺作り一代にして、この家を建てたそうです。台所は母屋とは離れた外の場所に。これがラオスの生活スタイル。

作業場は、家の裏にありました。家族全員と従業員5人が、ここで朝3時から仕事をしています。朝早くって3時のことだったのですね。6時ではちょっと遅かったようです。カオ・プン(素麺)に使うのはモチ米の粉。まずは、この塊を茹でてから細かく砕きます。途中で加えるのがキャッサバ芋の粉。あとはお湯を足しながら、15分ほど練り上げていきます。「カオ・プンはラオスの伝統的料理なのよ。結婚式や出産祝いなど大事な行事には必ず食べられるものよ」、そう語るカムハットさんは、以前は公務員として働いていました。1992年、結婚を契機に仕事を辞め、ご主人と一緒に素麺つくりをはじめ、地元でも有名なカオ・プン(素麺)作りの経営者になったそうです。子供4人も仕事を手伝っています。
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■カムハット・ケーマニーさん

粘りが出てペースト状になったモチ米は、別の容器に移しかえます。この仕事を担当するのは、長男のソンバットくん(15歳)。ペースト状になったモチ米を布に入れて濾します。手間がかかりますが、この作業をすることで、きめ細やかな麺に仕上がるのだといいます。濾したモチ米は機械の中へ。ここからがカムハットさんの素麺作りの真骨頂です。カムハットさんが手にしている機械。実はこれ、強大なシャワーヘッド。シャワーの穴を通すことで、均一な麺にすることができます。大切なのは安定したスピードを保つこと。速くてもゆっくり過ぎても麺の太さがバラバラになってしまいます。お湯の中でゆっくりと固まって、白い素麺に変身していきます。

「お客さんに認められるための努力は怠らないわ。お客が気に入って誉めてくれたら嬉しいわ。誉めてくれなくてもそれは何か至らないところがあるということだから、さらに努力しようと思うわ」とカムハットさん。一瞬たりとも手を休めないで働く妻を、ご主人のソムベットさんは「妻は一生懸命働いているよ。もちろん家庭も大事にしているよ」と評します。

茹で上げてからも、まだまだ仕事は続きます。長女ソムサヌックさん(14歳)の出番です。麺を網に入れ、そのまま水の中へ。水洗いして塩気を抜いていきます。あとはベテランの手仕事。器用にとりわけ、きれいに並べ、バナナの葉のなかにレイアウト。見た目の美しさも、カムハットさんの素麺の人気の秘密なのです。こうして一日に作る量はおよそ70籠(約840kg)。このまま市場に並べられます(1籠32,000キープ=約372円)。「私たちのカオ・プンは麺にコシがあるわ。そしてきれいでおいしそうにみえるでしょ」とカムハットさん。
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■ココナッツミルクと豚の血の塊で作ったスープで素麺をいただく

朝3時から働くので、正午には仕事も終わり。午後は、家族と従業員みんなで食事を取りながら、ゆっくり時間を過ごします。ランチの食卓、ここに素麺は欠かせません。この日は、ココナッツミルクと豚の血の塊で作ったスープで、自慢の素麺をいただきます。毎日朝早くからずっと一緒にいるので、従業員の人たちも家族のようなものだと、カムハットさん。夢は、自分たちが作るカオ・プンのレベルをもっと上げること。そして、もっと多くの人たちに認められるように皆で頑張っていくこと。

古くから街の人の生活を支えてきた地元の市場は、食材も豊富で、活気はあるのに、どこかゆったりとした時間が流れていました。それはまるで、街の傍らを流れる、あのメコン川を思わせるたたずまいです。いつ来ても同じ表情で、同じ声が聞ける市場。あのメコンの流れのように…
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