番組内容
ラオス  ビエンチャン「クアディン市場」
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■セタティラート王の像とタートルアン

ラオスは、インドシナ半島の中心に位置する内陸の国です。1353年ランサーン王国として統一。1899年フランスのインドシナ連邦に編入、1975年12月にラオス人民民主共和国成立。中国、ミャンマー、タイ、カンボジア、ベトナムの5カ国と国境を接し、国土は24万平方キロと日本の本州ほどの広さです。約70%が高原や山岳地帯で、シェンクアン県のプービア(ビア山)は国内最高峰(2,820m)です。熱帯性モンスーン気候に属し、雨季(4月から10月)と乾季(11月から3月)に分かれます。日本からの直行便はなく、タイ・バンコク経由で約7時間30分かかります。通貨はすべて紙幣で、単位はキープ。ややインフレ気味で、1円がおよそ86キープ(2006.5月現在)。

首都ビエンチャンは、メコン川沿いに作られたラオス最大の都市で、16世紀半ばにセタティラート王により首都に定められました。人口は約78万人。政治、経済の中心地で、出入国のメインゲートとなっており、他の県とは違う行政特別市。街並みはフランス植民地時代の古い建物と並木道、そして数多くの仏教寺院が混在し、アジアと西欧文化の融合が見られます。なかでもタートルアンは、ビエンチャンだけでなくラオスの象徴ともいえます。その正面に立てられたセタティラート王の像。16世紀、この地に大いなる繁栄をもたらした人物です。

そして、パリをお手本にした凱旋門(バトゥーサイ)。建設がはじまったのは1960年代、外観に反して中は仏教色の色濃いものとなっています。度重なる内戦と戦争で建設は何度も中断し、今も建築中です。その目の前を横切るのが、ビエンチャンの大動脈「ランサーン通り」。ビエンチャンを流れるメコン川。この流れを挟んだ向こう側はタイ、つまりここが国境です。鮮やかな夕日の赤が大いなるメコンの川面を染める景色は人々の自慢です。
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■クアンディン市場

そんなビエンチャンの街の中心に、まさに庶民のための市場がありました。クアディン市場。古びたトタン屋根とテントの下に、小さな店がひしめく市場です。元は、移民の住み着くスラム街だったそうです。そこで小さな商売がはじまり、店が増え、市場として整理され、1977年に現在のような形になりました。現在の店舗数は約850。午前中が一番混み合う時間です。天井のテントは低く垂れ、大人の男性はかがんで歩かなければならないほどです。そして下を見れば、ぬかるみ。上にも下にも気を使わなければなりません。
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■メコン川で獲れた魚が並ぶ

午前中、賑わいを見せるのが、魚を扱うお店です。内陸部なのですべてが川魚、メコン川の恵みです。人が集まって何かをのぞいています。バケツの中で、もぞもぞ動いているのはカエル。元気のいいのを選んで、袋に詰めています。天然もので薬などを与えられていません。身は鶏肉に近く、スープの具や揚げ物にすることが多いそうです。いくら位するのでしょうか? タオダイ?(いくらですか)。1kgが10,000キープ(約116円)から。こんな魚やカエルを売っているすぐ脇に、美容院があります。シャンプーとカットの値段は、カエル1kgと同じでした。

肉を扱う店が集まった一画があります。棚の上で一番広い場所を占領するのが豚肉。塊がドンドンと山積みされています。豚肉1kgが25,000キープ(約290円)から。生肉に直接手で触って、気に入った商品を選びます。そして…豚の血。使い道はというと、固めてそのまま食べても、麺料理に入れともよいとのこと。クセの強い味だが、食べると血がキレイになるそうです。説明してくれたお母さん、コープチャイ!(ありがとう)
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■小さな店がひしめく市場

魚、肉に続いては野菜。市場の中で一番広いのが野菜売り場です。ここで扱われる90%以上が国産品。土地がよく、気候がよいのでたくさんの野菜がとれます。そして、いつでも野菜を植えることができるのです。ほんのわずか、メコン川を挟んだお隣のタイのものがあるだけです。この野菜売り場の特徴は、香草の多さ。緑の葉もの野菜がずらりと並びます。実はこれが、ラオスの食の特徴でもあるのです。そんな中に、これは?と思うものが。アンニー・メーン・ニャン?(これは何ですか)。蓮の花の実です。割って、中に見える粒を食べるんです。甘くて美味しいそうです。

空いている場所があればすぐに店を出す人が現れ、建物の軒下にも小さな売り場が連なります。葉もの野菜でどの店でも見かけるのがこれ、空芯菜。空芯菜はラオスではとてもよく使われる、大衆的な野菜だそうです(一束2,000キープ=約23円)。「天然ものは生で食べても美味しいわよ。栽培ものは炒めたりしないと美味しくないわ。もちろん天然物の方が人気よ」とお店のおばさん。確かに天然物と栽培ものでは色が違います。
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■シン(ラオススカート)

外のテント張りの場所からトタン屋根の方へと行くと、そこは衣類や雑貨の売り場でした。ちょっと通路は狭そうです。衣類の売り場の中で、ラオスらしさを漂わせるお店がありました。シン(ラオススカート)に使う生地で南のパクセーのものです。素材はシルク、綿、そしてシルクと綿のミックスの三種類です。民族衣装らしい、素朴な模様が編みこまれています。30,000キープ(約348円)から。軽くて涼しくて、歩きやすそうです。

そして日用品や雑貨の中にも、ラオスらしい商品を見つけました。それが、ティップ・カオ(もち米入れ)。もち米を入れて持ち運んだり、保存しておくための伝統的な器。ラオスの生活には欠かせないものだそうです。1,500キープ(約17円)から。ナーヤーン村で作られたものだそうで、明日、その村に行って見ることにしました。
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■高級レストラン「クアラーオ」自慢のランチセット

正午、市場を離れ、首都ビエンチャンで一番有名な店でランチを食べることにしました。ラオスの伝統料理を味わえる最高級レストラン「クアラーオ」。世界中のVIPがこの店を訪れています。ラープとは、肉や魚などと香草、調味料をあわせて作るラオスの伝統料理です。お隣のタイがスパイスの国なら、ラオスはハーブの国。香草の香りを生かしたシンプルな料理が好まれます。食材を混ぜ合わせるだけですが、調味料とハーブのバランスが重要です。平均気温28℃の国で、刺激よりもあっさりと飽きずに食べられる料理を好むところにも、ラオスらしさが感じられます。お店自慢のランチセット(9品)は100,000キープ=約1,162円、現地の値段としては高めですが、世界のVIPが認めた味で、とても美味しかったです。
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■ラオス文化の象徴、タートルアン

午後2時。今度は、ビエンチャンの歴史を物語る建物を見学します。東南アジアでも独自の建築様式を育てた、ラオス文化の象徴、タートルアンです。黄金色の壮大な寺院で、内部の回廊には多数の仏像が並びます。3世紀頃に建立されたとの伝承があり、1566年にセタティラート王により四方を四つの寺院に囲む形で再建されました。現在は北と南の寺院が残るのみ。シャムの侵攻により損傷を受けましたが、1936年に改修されて現在に至っています。旧暦の12月の満月に行われるタートルアン祭にはラオス中の僧侶が広場に集まります。入場料は外国人5,000キープ(約58円)、ラオス人2,000キープ(約23円)。
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■一階が作業場。親戚や近所の人たちと作業

朝7時、市場で見かけた工芸品の産地ナーヤーン村を訪ねるために市内を後にしました。ビエンチャンは首都であるとともに、周囲の町や村も管轄する特別行政市です。車で2時間の距離にある、この小さな村もビエンチャンの一部です。ビエンチャン県ナーヤーン村、人口は743人。村人の95%が竹製品作りを仕事にする、工芸品の村です。市場で紹介されたブアトーン・ゲオパスーさん(40歳)のお宅に到着しました。サバイディー!(おはようございます)。ご主人がタイの大学で教師をしているというブアトーンさんのお宅は、この村ではかなり裕福。自宅の隣にある、祖父母の家の一階が作業場です。親戚や近所の人達がここに集まり、竹製品を作ります。

村でとれるマイヘー竹は、柔らかく加工に向いているといいます。竹を割り、薄くそいでいきます。家業であったこの仕事を、両親から受け継いだのは22年前。20歳で結婚し、3人の子供を育てながらこの仕事を続けてきました。「この仕事には誇りを持っているわ。私は純粋な気持ちで仕事をしているわ。両親から受け継いだこの仕事はラオス伝統のもので、私は大好きよ。私のこだわりは、よい製品を作るために一生懸命働くこと。そして、お客の注文にあわせて質のよいものを作ることよ」とブアトーンさんは言います。
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■作業をするブアトーン・ゲオパスーさん

磨いてきた技が、この薄くそいだ竹を器に変えていくのです。足で竹を押さえると、よどみのない動きで竹が編みこまれていきます。手が止まることはありません。模様作りは体に染みついているので、考える前に自然に編みこまれていってしまうと、ブアトーンさんは言っていました。合わせ目を編んで繋げ、端も編みそろえます。長女コンペーンさん(15歳)も次女ゲオウボンさん(11歳)もこの仕事を手伝います。その手つきはすでにベテランの域。

端の部分が編み揃うと、余分な部分を切り落とします。だいぶ器らしくなってきました。今度は筒の半分を中に織り込んで二重にします。次は縁の処理。ちょっと幅広の竹で、蓋と底を作ります。これを竹で縫い留めれば出来上がり。接着剤もピンも使わない、昔ながらの竹細工。約2時間でティップ・カオが完成しました。ティップ・カオは、もち米を入れるお弁当やおひつとして使われます。
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■完成したティップ・カオ(もち米入れ)

作業が一段落したお昼の時間、みんながティップ・カオに入れたもち米のご飯と惣菜を持ち寄り、昼食を取ります。香草類が本当に多いです。手で、もち米に惣菜を挟んで食べます。本当に楽しそうです。「夢は世界中の人たちに、このラオスのティップ・カオを知ってもらうこと。そして、この仕事を子供たちに受け継いで伝統を守って欲しいわとブアトーンさん。長い時を経て、体の中に受け継がれていく、モノ作りの遺伝子が生み出す日用品。竹を編みこんだ小さなお弁当箱にも、ラオスの歴史と、土地の中で育まれた人々の暮らしと思いが込められています。
余白用

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