番組内容
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■自転車専用車線
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■成都の繁華街
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■看板に「蜀」の文字も
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■パンダの里
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■坦々麺も名物
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広大な国土と世界一の人口を誇る中国。経済成長もめざましく、日々刻々と変化を遂げる、今世界が最も注目する巨大な国です。都市部では高層ビルが立ち並び、忙しく時間が過ぎ、山岳地方では少数民族が今なお昔ながらの暮らしを生活を営み続け、ゆるやかに時が流れます。多面性を持つ中国は、行く先々で新しい発見がいっぱいあります。長い歴史に育まれた文化遺産、肥沃な国土からもたらされた食文化。地方ごとに特色が強く、表情豊かです。

今回私たちは中国内陸の大都市、成都を訪ねました。成都は、日本でも激辛料理でおなじみの四川省の省都です。中華料理の代名詞、麻婆豆腐発祥の地でもあります。また、成都は動物園の人気者、パンダの生息地としても知られています。

成都といえば、魏・呉・蜀の「三国志」を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。いろんな魅力が詰まった街、成都では、どんな市場があり、どんな人が暮らしているのでしょうか。

日本からのフライトは、成田発の北京経由便が毎日、福岡発の上海経由便が週4便と便利です。乗り換えの時間を入れると、7時間半ほどです。成都周辺には九寨溝や黄龍といった世界に名立たる観光地もあり、チベット観光のの玄関口なので、年々訪れる人の数が増加しています。時差は、マイナス1時間(日本が正午の時、中国は午前11時)。国土の広い中国ですが、時間は統一されています。通貨は人民元で、1元はおよそ12.9円(2005年3月現在)です。

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■市内を流れる南河
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■マンション建設ラッシュ
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■杜甫草堂入り口
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成都は、古くから肥沃な大地で豊かな暮らしが送れたことから、「天府の国」と言われてきたそうです。今でも市内を囲むように川が流れています。この川が人々の暮らしを古くから潤してきたのでしょう。街を歩くと、近代的な高層ビルに大きなスタジアム、高層マンションの建設ラッシュと成都の今が見えます。都会的だけど、どこかのんびりした空気が流れていて、現代でも「天府の国」の空気が漂っている気がします。

近代的な街並の中も、古きよき中国を偲ばせるものもたくさんあります。中国が生んだ偉大な詩人、杜甫。日本の教科書でもおなじみの、詩聖と称される唐代の大詩人です。その住居跡「杜甫草堂」は、成都観光では欠かせません。

杜甫は、官僚人の家に生まれ、官僚になることを志していましたが、科挙の試験を何度も受験するも度々失敗し、44歳までは職もなく浪人生活を余儀なくされていました。早くから詩才をもって知られていましたが、長い浪人生活をするうち、40歳頃から社会的題材を取り上げて詠う、という社会詩人として名声をあげていきました。

その杜甫は、安禄山の乱によって、759年に成都に避難することになり、翌年から友人の助けを借りて、成都の西郊外、浣花渓(カンカケイ)のほとりに庵を建てました。杜甫はその後4年ほど成都に住み続け、240編以上の詩を作り、その生涯で最も充実した日々を過ごしたといわれる、その住居が「杜甫草堂」です。

もちろん当時の建物は既になくなり、宋代に草堂(住居)跡に祠堂が建てられ、その後修復を繰り返し、徐々に規模を拡大していきました。詩史堂を中心に、いくつもの建物や門が立ち並んでいます。詩史堂内に、杜甫の座像がありますが、手の部分の色が変色しています。「杜甫像の手に触ると、文章力がつく」と言われるため、訪れる人がみんな触っていくんだそうです。

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■手の色が変色している杜甫像
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■回廊
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■きれいな花々も
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■朱色の壁が美しい
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■大雅堂
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■茶館で一服
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朱の塗り壁が美しい小道を抜けると、大雅堂に出ます。中には鮮やかな絵や杜甫像が飾られています。また、外にはきれいな花が咲いていて、盆栽も展示されています。そこではゆったりとした時間が流れます。

竹林をくぐって草堂内を巡ると、あまりにもすてきなのでお茶でもしてゆっくりしたい気分になります。啜茗園(キュウメイエン)という茶館で一休みです。この「啜」という文字は、「一口、一口お茶を飲むという意味がある」と教えてくれました。

オープンエアの気持ちいいお庭で、苦味がさわやかな緑茶、青山緑水25元(約323円)をいただきました。ここでも、お喋りをしたり、麻雀をしたり、思い思いの過ごし方で、ゆっくり時が流れていきます。都会の喧騒を忘れ、のんびりと杜甫の世界を味わえました。

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■竹林を歩く
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■郎家山石花鳥市場
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■一鉢一鉢丁寧に
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■鮮やか!
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杜甫草堂にもきれいな花が植えられてたように、天府の国には花がよく似合います。その花を取り扱う「郎家山石花鳥市場」が今回の舞台です。ビニールハウスが立ち並び、植木や盆栽をはじめ、名前の通り、石や花、鳥など、造園に必要なものは何でも揃う巨大な市場といった感じです。植木をいっぱい載せたトラックが頻繁に出入りしています。

入り口から真っ直ぐに、車も通れる道が伸び、左右にはビニールハウスがずらっと立ち並んでいます。色とりどりのお花は目にも美しく、どんな花があるのかちょっと覗いてみました。赤ピンク色といえばいいのでしょうか。日本でもおなじみの椿です。

鉢植えの小ぶりなツツジを、1つ1つ丁寧に剪定いしています。1鉢1元(約12.9円)から、と驚きの安さです。「ツツジは成都で人気があるの。成都の気候は、花の生育に適していて、1年中春みたいに花が咲いてるわ」とお店の人。きれいなお花がそこかしこに。成都が天府の国といわれる由縁のひとつでしょうね。

隣のビニールハウス内では、赤・青・黄・紫と色とりどりの鉢植えがいっぱい! こちらは菊の一種だそうです。日本でも、よく庭先やベランダに飾られているのを見かけます。日本名はわかりませんが、こちらでは瓜葉菊(ウリハギク)というそうです。こちらも1鉢1元(約12.9円)と激安です。この日はあいにくのお天気だったのですが、鮮やかな花を見ると、気分が晴れ晴れするから不思議です。

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■ビニールハウスが立ち並ぶ
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■ビニールハウス前の花々
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■胡蝶蘭も安い!
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■赤紫色が人気
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■人気の羅漢松
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行き交う車に気をつけながら、道を挟んで向かいのビニールハウスへ。その芸術的な造形が美しいお花の王様、胡蝶蘭が大事そうに並べてあります。「胡蝶蘭は、世界中で大人気よ」と笑顔で教えてくれたお店の人。さぞやお値段が張るのでは?と思って聞いてみると、「1鉢20元(約258円)からあるわ!」と耳を疑うほどの安さです。このお値段なら、お部屋いっぱい飾りたい! こちら成都では、赤紫色の胡蝶蘭が人気だそうです。

日本ではお年寄りの趣味の代名詞の盆栽ばかりを集めたお店を見つけました。小さなものから大きなものまで、たくさんの盆栽が並んでいます。その造形美に見とれていると、「これは羅漢松(ラカンマツ)よ。一番人気があるの」とお店の人。「羅漢松は、1年中緑がきれいで実もなるし、この芸術性のある造形が何より魅力なの」といいます。枝はこまかくカーブを描き、盆栽らしい、作られた美しさがあります。日本のそれとは、少し違うような気もします。

四川省は、盆栽の産地としても知られているそうです。経済成長に伴い、生活レベルも向上したので、盆栽のような芸術品の需要が高まっているといいます。「成都には、中国でも有名な盆栽家がいるから、せっかくだから尋ねてみるといいわよ!」と紹介してくれることに。どんな方に会えるのかワクワクしながら、翌日に伺う約束をとりつけました。

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■盆栽がズラリ
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■食堂は満席
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■これで約206円!
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■日本水晶花の文字が…
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そろそろお腹が空いてきました。いい匂いにつられて、市場内にある食堂に行ってみました。ここの名物は、甜焼白(テンシューハク)という料理だそうです。この料理、おはぎのようにもち米の中にあんこを入れて蒸した料理なんですが、面白いのは豚肉がのっていること。みたらし団子のような甘しょっぱいタレがかかり、その上に砂糖をトッピング。日本人には馴染み深い味です。また、一緒にホイコーローを頼んだのですが、日本のものと明らかに違います。味噌味ではなく、お醤油味なんです! キャベツの代わりにネギを使うところも違います。もちろん唐辛子も効いていて、病み付きになりそうな味です。それぞれ8元(約103円)、という安さも驚きです。

お腹も満足したところで、市場を歩いていると、面白い看板を見つけました。「日本水晶花」、これはいったい何なんでしょうか? お店には、色とりどりのカラフルなお花が並んでいます。が、様子がちょっと他とは違います。よーく見ると、造花です。でも何で造花に「日本」が付くのでしょうか? お店の人に聞いてみました。

「これらの技術も材料も、すべて日本から来ているんだ。世界的に見ても、日本の造花が最も優れているからね」と。私たち、日本人なのに知りませんでした。日本から遠く離れた成都の、しかも園芸の市場で日本という言葉を目にするとは、思いがけず、またちょっと嬉しいような気もします。「造花は色あせしないし、形も神秘的で、中国全国的に需要があるんだ」とも言います。こちらのお店の中で実際に造花を作っています。

作るうえでのポイントを聞いてみると、「葉の形を作るのが難しいよ」との答え。自然の形を表現するのは、高い技術が要求されるんでしょうね。造花は1本35元(約452円)から。「これは今さっき、日本語を中国語に翻訳したばかりなんだ」と嬉しそうにテキストのようなものを見せてくれました。勉強熱心だからこそ、高い技術を維持していけるのでしょう。

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■詳しく教えて頂きました
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■市場内にある茶館
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■茶館では麻雀
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■碧潭飄雪というお茶
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嬉しい気持ちで店を出ると、外は雨。雨宿りも兼ねて、市場内にある茶館に入ります。すると、「こんなに人がいたの?」というくらい、茶館はお客さんでいっぱいです。市場が広大なので、気が付かなかったんですね。茶館といえば、麻雀です。お年寄りがお茶をすすりながら、楽しそうに麻雀をしています。そんな光景を見ながら、メニューで目に付いたお茶を注文することにしました。

碧潭飄雪(ヒタンヒョウセツ)という1杯10元(約129円)のお茶。このお茶は、九寨溝(世界遺産にも登録されている、非常に透明度の高い四川省の美しい湖)に雪が降る、という美しいイメージのお茶だそうです。茶葉が湖を、浮かぶジャスミンの花が雪を表しているんですね。何とも芸術的なお茶です。お味は、緑茶とジャスミン茶をミックスしたような華やかな香りです。

雨も止んだので、再び散策を開始します。脇道にそれると、色鮮やかな花瓶がズラリと並んだお店がありました。「彩陶(サイトウ)」という、古くは始皇帝の時代からある、四川省の特産の焼き物だそうです。赤い色が多く、お花を飾らなくとも、存在感抜群です。このまま飾りとして、もちろんお花を活けてもすてきです。なんといっても、このカラフルな色のバラエティーが特色だそうです。大きさも、小さなものから1m以上の大きなものまでさまざまです。値段も30元(約387円)から3000元(約38700円)と予算に合わせて選べます。

まるでウェディングケーキのような、かわいい飾り、と思ったら、竹を束ねて作った「開運塔」という置物でした。家を新築すると、客間に必ず置くそうです。1つ15元〜50元(約194円〜645円)。女性には、かわいい鉢に入ったサボテンが人気のようです。他にも金魚や、造園用の岩や小石など、あらゆるものが売っています。のんびりしているせいか、ちょっとしたピクニック気分を味わえる市場でした。

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■彩陶
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■開運塔
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■伝統的なお宅
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■葉さんと奥様の旺さん
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■游さんと苗木の移植
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翌日、市場で紹介していただいた、中国を代表する名だたる盆栽家・葉瑞金(ヨウ ズイキン)さん(60歳)を訪ね、私たちは成都の郊外、温江区永盛鎮を訪れました。葉さんと、奥さんの旺 春蘭(オウ シュンラン)さん(53歳)、葉さんのお母さん劉 志英(リュウ シエイ)さん(86歳)が迎えてくれました。葉さんのお宅は、平屋建ての四川省の伝統的な民家の作りをしています。どこか懐かしい、ノスタルジックな匂いがします。

道路を挟んだ向かいが大きな盆栽農園になっています。葉さんが一番力を入れているのが、羅漢松の盆栽作り。さっそく盆栽作りの作業を見せていただくことにしました。お弟子さんの游 涛(ユウ トウ)さん(22歳)と一緒に、指導しながらの作業です。

盆栽は、苗木を育てるところからはじまります。2年ほど育て、成形できる大きさになったら、移植して畑を代えます。その際注意しなければならないのは、根を傷つけずに周りの土を残すこと。そうすることで、移植後の生存率も高くなり、元気に育つのだとか。

移植した畑で、いよいよ枝に縄をしばって、成形していきます。ここで注意しなければならないのは、枝を折らないようにすることと、重心を取るためにバランスを見ることです。羅漢松の生長に伴って、成形を施し、苗木から10数年かけて商品化するそうです。じっくりと長い年月をかけて、作りこんでいくんですね。

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■畑を移動
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■出荷までここで育てる
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■真剣な眼差し
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■いよいよ出荷
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■盆に入れます
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もう出荷する商品があるというので、その作業も見せていただきました。葉さんの腰丈ほどに成長した羅漢松は、素人の私たちが見ても、とても立派なのがわかります。「これは非常にいい出来です。枝の造形、葉の量、ボリュームも申し分ない。このように豊満に見えることが大事です。展示会に出してもいいくらいの出来ですよ!」と上機嫌の葉さん。

根を傷つけないように注意して掘り起こし、盆に移します。ここまで大きくなると、かなりの重さがあります。紐でしばり、担いで移動させますが、大変そう…。盆に移す最後の作業は、葉さん自ら行います。その真剣な眼差しは、芸術家の顔です。「羅漢松本来の元の形を大事にしつつ、バランスよく大きな木のように形作る、芸術的な作業です」と葉さん。

盆に移し替えた後も、この角度から撮ってほしいと、盆を回しながら角度を選んでくれました。10数年もかけて育てた羅漢松は、まるで子供の様なんでしょうね。愛情たっぷり、といった感じです。

葉さんの盆栽は人気が高く、5000元(約64500円)程度で売れるそうです。中国の物価を考えると、とても高価ですが、それだけ評価が高いということですね。一緒に働いているお弟子さんの游さんに、葉さんについて尋ねると「葉さんはとてもいい人で、親切に指導してくれます。まるで父親のようで、本当によくしてもらっている」とのこと。師匠と弟子の素適な関係が築かれているようです。

作業を終えると、家族も従業員もみんなでお昼ご飯です。自給自足をしている葉さん、野菜もお肉もすべて自家製。テーブルいっぱいに料理が並びます。息子さんの葉 強(ヨウ キョウ)さん(32歳)と、葉 カイさん(30歳)と彼の奥さんも揃って賑やかで楽しいお昼です。

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■葉さん指定のアングルで
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■皆で食べると美味しい
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■ご飯の入ったおひつ
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■菜の花畑もあります
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■息子を見守る母・劉さん
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■弟子の游さん
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お酒も入って上機嫌の葉さんに、お話を伺いました。葉さんは、この仕事をはじめて40年になるといいます。きっかけは「祖母が盆栽をやっていたから」だそうで、興味本位だったのが、いつしか葉さんの趣味になっていったそうです。そんな中、文化大革命が起こり、仕事が自由に選べるようになったので、迷わず盆栽業を仕事にしたそうです。しかし手間が掛かり値の張る盆栽は、市場のニーズがなく、利益を上げられるようになるまで苦労したそうです。

それでも葉さんは、盆栽作りに妥協はしませんでした。「安物は作りたくない。ちゃんとした苗を植えて、しっかり育ててきた。商品化できないものはすべて捨ててしまう」とか。中国の経済成長に伴い、市場のニーズも増え、葉さんの盆栽の評判も広まっていったのです。「盆栽作りは、趣味でもある。だから自分が満足できる作品ができると本当に嬉しいし、お客さんにも満足してもらえると思う。常にクオリティーの高い作品を作り続けたい」と言います。

そんな葉さんに将来の夢を尋ねると「ずっといい盆栽を作っていくこと」だとか。35年連れ添う奥さんの旺さんは、葉さんについてこう言います。「彼は人がよく、親孝行で家族に優しい人です」家族を大切にし、盆栽をこよなく愛する葉さんの人柄。今や中国を代表する盆栽家の葉さんの堅実な生き方に、私たちは共感を覚えずにはいられませんでした。そんな葉さんの作った盆栽は、手にした人たちに笑顔を届けることでしょう。

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■自慢の羅漢松

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