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街の中心、 カールスルーエ城 |
宿泊したホテルにあった昔のカールスルーエ風景図。城を中心に放射線状に街が広がっている
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カールスルーエ市場の 全景 |
| ドイツ南東部、フランス国境近くに位置する街、カールスルーエ。18世紀初頭、高度な計画都市に基づいて築かれたこの街は、カールスルーエ城を中心に放射線状に広がっています。カールスルーエというのは「カールの安らぎ」という意味で、18世紀にこの地方を治めていたバーデン辺境伯カール・ヴィルヘルムに由来しています。今は州立美術館として公開されているカールスルーエ城の塔に登ると、この城を中心に街が築かれているのが良く分かります。カールスルーエ市場は、街の西側、住宅街に囲まれた小さなグーテンベルク広場で、火曜・木曜・土曜の週3回、それも午前中だけ開かれるこじんまりとした青空市場です。近隣にすむ人のために1887年から始まったこの市場には、約50軒ほどの店が建ち並んでいます。これといって特色がある商品を売っているお店があるわけではありませんが、野菜や肉類、魚やパン・チーズなど生活に必要な物は揃うようになっています。 |
 1910年頃の カールスルーエ市場 |
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市場のあちらこちらで売られている鉢植えのお花
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自動車を改造してのチーズ屋 |
警察が犯罪防止を呼びかけているコーナー |
| 市場で目に付くのは、切花や鉢植えを並べた花屋さんです。聞けば、ドイツの人は部屋にたくさんの花を飾るのが好きだそうで、小さなこの市場に10軒近くも花屋さんがあるのもうなづけます。快晴のお天気のもと、色とりどりの花がいっそう鮮やかに見えます。市場が開かれるのは週3回ということで、どのお店もトラックなどを改造した移動式販売車や牽引可能の車を利用しています。話によれば、カールスルーエ市場が開かれていない日は、別の場所でお店を出しているそうです。 |
 イースターの時期に食べる色付き卵、イースターエッグ。1個約20円 |
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| 白アスパラを市場で販売するルツィアさん(45歳) |
お店を手伝う次男の マルコさん(27歳)
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ご主人のヘルマンさん(50歳)とルツィアさん |
| 取材に訪れた初夏のこの時期、カールスルーエ市場で特に人気の高いお店が、白アスパラ(シュパーゲル)だけを売っているというルツィアさんのお店です。ドイツ人にとって、白アスパラは初夏の風物詩となっており、これを食べずして夏は来ない、と言われてます。この時期、どこのレストランに行ってもメニューには白アスパラの料理が何種類も並んでおり、ドイツ中でシュパーゲルを食べている光景に出会いました。ルツィアさんのお店は、自分の農園で栽培している白アスパラだけを販売しており、市場を訪れるお客さんの間でもその美味しさは評判です。規格・サイズ別に仕分けられた白アスパラは、一番高いもので1キロ約1,000円ほどの値段で販売されています。カールスルーエから15分ほどの場所に農園があるというこで、翌朝、収穫風景を見せてもらうことにしました。翌朝、農園を訪れた取材スタッフを、ルツィアさんがご主人のヘルマン・シュミットさんがいっしょに迎えてくれました。「シュミットアスパラ農園」の広さは、驚くばかりの約320ヘクタール(3,200,000平方メートル)。よく広さの比較で言われる東京ドームが46,755平方メートルですから、東京ドームが70個近く入る計算になります。ヘルマンさんから、「あそこの鉄塔からこちらの道路までが白アスパラを栽培している自分の農園」と説明されても、どうも実感が沸かず、「はぁ」と、ため息をつくばかりです。また、白アスパラが栽培されていると言われても、地表には何もなく、ただ何百メートルもある畝が何本も何本も見えるだけです。白アスパラは、地表で成長するのではなく、地中に生えているということをルツィアさんから教わりました。 |
 紫外線を防ぐカバーがかけられている白アスパラの畝 |
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農場を手伝う男性陣が 一斉に収穫開始
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白アスパラを収穫する ヘルマンさん |
畝にあるちょっと盛り上がった割れ目。珍しくこれは分かりやすい |
| ヘルマンさん一家だけでは、320ヘクタールもの農園を維持できないので、50人ほどのポーランドやルーマニアからの出稼ぎに来ている人達に手伝ってもらっています。地中に生えている白アスパラは種を蒔いてから3年経たないと収穫できないそうですが、収穫も大変な作業です。成長するにつれ、畝の表面に割れ目ができてくるので、ヘルマンさんは「地表に頭を出す前に、そこを掘れば立派なものが収穫できるんだ」と言いますが、素人目にはほとんど分かりません。割れ目を見つけて、手で掘り進んでいき、地中の白アスパラを25センチぐらいの長さでカットすると、1本収穫ということになります。とても機械化できる作業ではなく、中腰で一本、一本収穫していくのは、大変な重労働です。シーズン最盛期には1日500キロもの収穫があるそうです。 |
 割れ目を掘っていくと出てくる白アスパラ |
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収穫された白アスパラの 計量
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白アスパラを入れる箱に ついている番号札 |
屋内の作業場で サイズ別に選別 |
| 収穫された白アスパラは、選別工場に運ばれて、カゴごとに計量したうえで、洗浄、選別という工程を経ます。収穫した白アスパラを入れるカゴには番号札がついており、誰がどれくらいの量を収穫したか分かるようになっており、その量に応じて賃金が決まります。そのせいか、あまり成長していないものを掘り出してしまう人もいるようで、ひょろひょろのあまりおいしそうでないものも中には混じっていました。洗浄、選別は、収穫する人たちと同じく東欧から出稼ぎに来ている女性達の仕事です。一本、一本、丁寧に洗ったうえで、太さや長さ、色合いや曲がり具合を見ながら選別していきます。より白く、まっすぐで、太いものが上質とされ、高い値段で取引されるのです。ひょろひょろのものはここでふるい落とされて、市場で売られることはないそうです。ヘルマンさんは以前、穀物栽培や養豚をしていましたが、経済的な効率が悪いので1988年から白アスパラ栽培を始めました。現在は、白アスパラだけでなく、イチゴなども栽培しています。「栽培は重労働だし、収穫期は休みもないよ。でも、家族いっしょに働けるし、精魂込めて栽培した作物が市場で評判になるのはとても嬉しいんだ。年金がもらえる歳になったら、息子が後を継いでくれるだろうから、それまでは頑張るよ。とにかく、家族がみんな健康でアスパラ栽培をいつまでも続けられることが自分の夢なんだ」と朗らかな笑顔で答えてくれました。 |
 選別の目安となる定規 |
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