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「ウェルカム・トゥー・エジプト(ようこそエジプトへ)」。現地を訪れた日本人の誰もが耳にするであろう挨拶言葉です。現地での日本に対するイメージはとてもよいそうで親日家も多く、「ジャパン・イズ・グッド」と声を掛けてきます。正式名称はエジプト・アラブ共和国で首都はカイロにあります。国の総人口は約6,600万人(2003年5月1日現在)で、北は地中海、東は紅海とイスラエル、南はスーダン、西にリビアに面しています。国土は約100万平方キロメートルと日本の約2.6倍あり、およそ90パーセントは砂漠地帯です。
成田空港からエジプトまでの直行便は約13時間と長旅です。日本との時差は7時間遅れ(日本が正午12時の場合は、エジプトは朝の5時)。4月末から9月末までの期間は、サマータイムを導入していて6時間遅れとなります。紙幣はエジプシャンポンドを使用し、1エジプシャンポンドは約20.6円(2003年5月1日現在)。空港の両替所ではエジプシャンポンドから日本円への両替は難しく、日本でもエジプシャンポンドは取り扱っていないので、現地で使い切ってくるのが望ましいです。
エジプトは4月から10月までを夏、11月から3月までを冬と分けることができます。日中と夜の気温差があるので、Tシャツなどの軽装のほかに、薄手の上着を持参したほうが良いです。
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| スフィンクスとピラミッド |
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首都カイロはアフリカ最大の規模を誇る都市です。ナイル川を中心に発展しました。人口の約30パーセント近くが生活していますが、年々増加の一途をたどっています。カイロは地中海の香りと東洋の魅力が共存する都会的な都市で、歴史的建造物が多くの歴史的建造物が残されています。
カイロ中心地から西へ約13キロの距離にあるギザには、世界最大の石造建築物である三大ピラミッドがあります。最も大きいクフ王のピラミッド、三大ピラミッドの中央に位置するカフラ王のピラミッド、一番小さいメンカウラー王のピラミッドです。ピラミッドが建造された理由は未だに解明されておらず、最も有力な説は王の墓とされていますが、そのほかにも失業対策、国の威厳を示すため、天体観測などの諸説があります。
三大ピラミッドを見守るように鎮座しているスフィンクス。ここにあるのが世界最古のスフィンクスで、悠然としている姿はカフラー王の顔、権力を誇示するライオンの胴体です。
カイロの中心地、新市街のタハリール広場にあるのが考古博物館。ツタンカーメン王の秘宝黄金のマスクや、守護霊のカーの立像、ミイラつくりの神であるアヌビス神など、約120,000品と世界最大のエジプト遺物を展示している博物館です。過去5,000年にわたる古代エジプトの歴史的遺物が保管されていて、古代にタイムスリップしたような感覚になります。夜になると綺麗にライトアップされ最も目を引くカイロタワー。高さ約187メートルから見る景色は絶景で、ナイル川やカイロ近郊を一望できます。 |
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今回取材したのは、カイロ中心のタハリール広場から約1キロ離れたアタバ広場にある「アタバ市場」です。100年の歴史ある市場で、カイロの台所と呼ばれており、屋内と屋外に分かれています。約100メートル四方の建物の周りには、道端で座りながら商売する物売りや、屋台などが開かれて主に果物や雑貨類を多く扱っています。一方建物の内部は十字路になっており、取り扱っているのは食肉、鳥、魚などです。
内部を歩いていくと肉独特の匂いがし、包丁を豪快に使い大きな肉の塊をさばいている店員さん達がいました。肉の種類は、牛、鶏、羊等が並び、値段はアラビア数字のキロ単位で表示されていて、子牛の肉(骨付き)は1キロ15エジプシャンポンド(約309円、以下/kg表示)。店頭には牛の頭や足が幾つも並べられていて、その姿は少々生々しいです。
魚屋には新鮮取れたての魚介類が並びます。アレキサンドリアなどの地中海で取れたカツオやタイ、エジプト南東のナセル湖から運ばれてくる川魚が主です。
取材をしたのは5月でしたが、その時の売れ筋はイカで、7エジプシャンポンド(約144円/kg)。店員さんは日本食のレストランに魚介類を卸しているそうで、「ウナギ、タイ、カツオ、イカ」と魚の名前を日本語で説明してくれました。現地ではウナギは小さく切って揚げるか、オーブンにして食べるそうです。店内には活気があり、何より店員さんたちはとても陽気で、よく喋り親切に一つ一つの売り物を説明してくれます。またこのあたりの猫は、親切な店員さんからおいしい餌をもらっているせいか、丸々太っていました。
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| 人気のウナギ |
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| 果肉たっぷりのオレンジ |
市場外観 |
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建物から外に出ると、エジプトの暑い太陽に照らされ作られた栄養たっぷりの果物が並んでいました。真っ赤に熟れたトマト、大きなスイカ、果肉たっぷりのオレンジ。なかでもバナナが特に人気だそうで、次々とトラックで市場に出荷されて来ていました。
この市場に果物を出荷しているイスマイール・アポ・イマムさん(62歳)。代々農園を営んでいる有名な方で、興味を持った撮影スタッフは、早速取材させていただくよう約束を取り付けました。 |
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| サトウキビを積む |
駱駝を使用する |
蜂蜜のように甘いバナナ |
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イスマイールさんの農家は、カイロ中心地から車で北へ1時間のアリオベイヤ県シビンアナテル村にあります。エジプトは広さを説明する場合にフェダーンという表示を用います。1フェダーンが約4200平方メートルで、イスマイールさんの農園は、約35フェダーン(約14万7,000平方メートル)の規模です。農園にはグワヴァ、サトウキビ、バナナを栽培しています。
グワヴァは、甘いと言われているアットゥマーニという種類で、約3,000本もの木が植えられています。収穫期には実が見事な黄色に染まります。
とりわけサトウキビはイスマイールさんの自慢で、「ウチのサトウキビは、この地域で最も甘いよ」とのこと。従業員は、自分の背丈よりも大きなサトウキビを、ナイフで手ごろな長さに切っていきます。主に街のジュース屋に出荷するそうです。運ぶ際には、アグラビーラクダという種類の駱駝を使います。大体一頭で400キロものサトウキビを運べるのですが、駱駝は大変そうで唸ったり、なかなか前に進もうとはしませんでした。駱駝の寿命は約20年近くらしいのですが、最後に太らせて食べてしまうそうです。
バナナはウィリアムとビンディーという2種類があり、蜂蜜のように甘いのが人気。バナナの木には大体40キロから50キロのバナナがなります。従業員は重そうなバナナの束を、頭に乗せて運びます。農園の雑草は取りすぎると日差しによって土に熱がこもってしまい、農作物の成長が遅れるので、ある程度は残しておくそうです。農園での作業にはウィリアムさんは決して作業することはなく、従業員たちに指示だけを出していきます。 |
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| サトウキビ畑にて |
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| スタッフとイスマイールさん |
インタビュー |
指示するイスマイールさん |
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仕事を終えて家に戻ると、家族揃ってお茶を飲んだりお喋りをして休憩。家族の絆を重んじるエジプトでは、なるべく家族と時間を過ごすのが大切だそうです。奥さんのメルベラさん(52歳)は「旦那は家族思いだし、生活も快適だから感謝しています」と、旦那さんを尊敬の眼差しで見ていました。
代々農園を経営していた一家に生まれたイスマイールさんは、幼い頃から農園に携わりながら生活していました。従業員がよく働いてくれるので、特に大きな失敗もなく農園の経営は続いているそうです。
3人の息子がいるので、将来は息子達に農園を継いでもらいたいそうですが、まだまだこれからも新規開拓や世界各国への輸出も考えていると、仕事に対する情熱は未だに冷めていません。 |
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