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イスタンブールの街並み 港近く ボスポラス海峡を行き交う船
長い歴史のあるトルコの地は、13世紀初頭に十字軍によってラテン帝国が建国されました。その後、ビザンティン帝国がそれにとってかわりますが、そのビサンティン帝国もやがて1453年に中央アジアからやってきたオスマン帝国によって滅亡。都市名もコンスタンティノープルから現在のイスタンブールとなり、16世紀にはオスマン帝国はバルカン半島、東地中海、西アジア、北アフリカなどの領土をもつ超大国に成長します。

しかしオスマン帝国も17世紀末頃になるとヨーロッパからの侵攻を受け、次第にその領土は縮小の一途をたどっていきます。1919年、国の分割危機に立ち上がったムスタファ・ケマルは国民軍を指揮して「独立戦争」に勝ち、1922年「内に平和、外に平和」をスローガンにトルコ共和国を建国しました。

トルコ国旗は通称「新月旗」とも呼ばれ、救国の伝説からとられた三日月、星は民族の進歩と国家の独立を象徴し、赤色はオスマン朝の色とされています。人口は約6,600万人で、そのうちトルコ人は約86パーセント、クルド人は約10パーセント、その他にアルメニア人などが住んでいます。公用語はトルコ語で紙幣はトルコリラを使用し、1円は約1万3590リラ(2003年3月1日現在)。時差はマイナス7時間、日本が深夜0時の場合、トルコは前日の夕方5時となります。1時間早くなる夏時間は、3月4週目の日曜日から9月4週目の日曜日までです。国土面積は日本の約2倍の81万4580平方キロメートルです。

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新市街にあるイスティクラール通り 観光客で賑わうアヤソフィア寺院 サクランボジュース売り
トルコは地理的にヨーロッパとアジアの接点に位置し、黒海とエーゲ海を結ぶボスポラス海峡を境にアジア側とヨーロッパ側に分かれています。アジア側が大半を占めていますが、ヨーロッパ側にはイスタンブールがあります。大都市イスタンブールは主に旧市街と新市街にわかれ、北側には高級ホテルやビジネスビルが並ぶ新市街、南側には歴史的遺産が集まる旧市街となっています。

新市街には、若者がショッピングを楽しめるイスティクラール通りがあり、石畳の道には路面電車が走っています。旧市街には代表的な建造物が集中しており、アヤソフィア寺院、トプカプ宮殿、ブルー・モスクなどが人気の観光スポットです。

アヤソフィア寺院は正式名称を聖ソフィア大聖堂と言い、語源は「聖なる知性」からきています。元々は教会として建設されましたが、オスマントルコ時代にモスクとなりました。またアヤソフィア寺院の近くにあるブルーモスクへ行く途中には、観光客相手に独特の衣装を身にまとった人達がサクランボジュースを売っています。ジュースは甘くて美味しいのですが、値段は売り手によってマチマチなので注意しましょう。

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アラビア文字と英語で書かれた
入り口
グランドバザールの始まりは
オールドバザールから
市場内を訪れる大勢の観光客
他にも海外の観光客が訪れる観光名所のひとつに市場があります。オスマントルコ時代からある巨大市場は、グランドバザールと呼ばれています。元々オールドバザールという市場があり、年月が経つにつれ周りにあった市場が集合して、数回の増設を繰り返して、現在では約3万700平方メートルの敷地に約5000店舗の規模となりました。警察、郵便局、銀行などが十分に揃った、さながら一つの街のようです。

市場の入り口はアラビア語と英語で書かれ、どこか中近東とヨーロッパの文化が混ざりあった国であることを象徴するようです。

建物の中に入ると広々としたアーチ型の天井と、混雑する人の多さに圧倒されます。市場を歩いているとお店の店員さんが流暢な日本語で客引きをしてきます。「バザールでゴザール、もうかりまっか」などと面白おかしく話しかけてくる店員から、半ば強引に「ちょっとでいいから見て行って、安くするよ」などと話しかけてきて、少しでも興味を示そうものなら店中の品々をことこまかく説明してきます。優しい人もいるのですが、近年では観光客相手に不当な額を払わせようとする人もいるようなので、十分ご注意してください。

取り扱う品は大まかに絨毯、貴金属、トルコ石や宝石、衣服、小物などで、各店舗が値段を均等にするためにひとところに集まっています。値札はほとんど付いていませんが、お店によっては値札があったり、貴金属店などはドル表示しているお店もありました。
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トルコでは若いうちから働き出す

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ノンビリと水パイプを吸う 人気の絨毯ヘレケ産 バザールの一つ値段交渉
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綺麗にディスプレイされた
ランプのお店
貴金属のお店は高級感があるブレスレット3000ドル(約375,000円)、指輪1200ドル(約15,000円)などが揃い、銀細工は銀の重さによって1グラム1ドル(約125円)で売られています。中近東らしさを思わせる水パイプは、20ドル(約2,500円)から売られています。

絨毯屋はヘレケ産の絨毯が置かれていました。ヘレケとはイスタンブール外れにある町で、国内最高級の絨毯といわれています。一センチ平方の折り目の数によって高級かどうか決まります。普通の絨毯は一センチ平方に糸を縦横に10ノット(ノットは結び目のこと)も使用しませんが、ヘレケ産は14ノット(縦横1cmにそれぞれ14個の結び目がある)も糸を使用しているので、織りが細かく手触りが良いです。素材はシルクを使用するのですが、見た目にはわかりません。店員さん曰く、絨毯の品質の見分け方は、「ニセモノは火であぶると絨毯は燃え広がり、シルク100パーセントの絨毯は燃え広がらない」そうです。

お客さんは商売を熟知した店員さんと上手く値段交渉するのですが、なかなか安くしてもらうのは難しそうでした。グランドバザールに来たならば値切りを楽しむのもよいですし、綺麗にディスプレイされた品をウィンドーショッピングするのも魅力の一つです。

色鮮やかなランプにズラリと並んだ宝石や絨毯にTシャツ。とても一日では周りきれない程の店舗数です。店内を覘きながら市場内をあちらこちら歩いていていても、あっという間に時間が過ぎていきます。

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ベリーダンスの衣装 裁縫のアドバイスを送る ミシン縫いを行うギュルセレンさん
トルコのオスマントルコ時代から広まったとされているベリーダンス。独特の衣装で腰をくねらせながら踊る民族舞踊のことをいいます。グランドバザールには、海外からの注文がくるほど人気のベリーダンス店があります。それが、ギュルセレン・ジャムジュさん(49歳)の経営する店です。店は市場の小道を抜けた地下にあり、滅多に観光客は訪れず、ベリーダンスに興味ある人だけが国内や海外からやってきます。衣装はデザインや素材によって5,000万リラ(約3,679円)から4億万リラ(約29,433円)までと値段に随分と差があります。衣装の生地質やデザインによってのものだそうです。

取材時にはスペインから一度に520着の発注があり、大忙しで衣装の刺繍をしていました。ギュルセレンさんは他の従業員さん達に比べ格段に作業速度が速く、かつ丁寧に裁断、ミシン縫いをしていました。

一着の衣装を作るのに、5人がかりで約一週間ほどかかるのですが、ギュルセレンさんは一人で3日もあれば一着仕上げられると教えてくれました。自ら「衣装の裁縫や販売をしているのは好きなの」と言い、従業員の女性が「自分にとって師匠のような存在」と話すのも頷けます。上手くなるコツは、注意深く集中してやることだそうですが、それには経験が何よりも大切だと語ってくれました。一つ一つ作業方法をテキパキと伝え、しっかりと教えるギュルセレンさんの姿からは、仕事に対する強い信念が見られました。

お店で働く従業員は5名で、自宅で働く人達が30人います。もちろん作業速度には個人差がありますが、仕事が好きではなく時間のかかる人は上達しないと判断し辞めてもらうそうです。ただ従業員とは経営者としての立場ではなく、同じ目線で友達のような関係で接しているそうです。
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真剣なまなざしで
ミシン縫いをする従業員

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「グランドバザールの取材対象者
ギュルセレン・ジャムジュさん(49歳)」
自宅にて娘との食事
翌日、ギュルセレンさんの自宅を訪れ、何故ベリーダンスの衣装を販売したのかを聞きました。幼い頃に母親を亡くし貧しかった彼女は、小学校卒業後に裁縫の専門学校へ入学しました。裁縫の基本を勉強し始めたのですが授業料を払ってしまうと練習用の布を買えず、新聞紙や包装紙で練習したそうです。なかなか上達はしなかったそうですが、根気強く、人一倍練習をし、学校卒業後は縫い子としてあちらこちらのお店で働きました。

1982年からはグランドバザールでは珍しい女店員として働き、88年には「人生を悔いなく頑張りたい」と考え、わずが2台の中古ミシンを購入し小さなお店を開きました。当初は自分で縫ったシャツや衣類を販売し、売れたらそのお金で布を買うという厳しい生活でしたが、よくヨーロッパ人からベリーダンス衣装について質問を聞かれるのをヒントに、ベリーダンス衣装の縫製と販売を始めました。

1年半後にはヨーロッパで徐々に評判となるにつれ、仕事が成り立つようになり、経営も右肩上がりになっていきました。現在はヨーロッパ、イギリス、アメリカなどに約50人もの顧客がいて、日本からも3箇所のダンス教室から発注があるそうです。

ベリーダンス衣装はデザインが重要なので、普段の生活や旅行をしてアイデアを考えるようです。お客に嘘をつかず商売し、ベリーダンス衣装などトルコ文化の魅力を世界中に伝えたいと語ってくれるギュルセレンさんに、「将来、もっとお店の規模を大きくしたいのですか」と質問すると、「これ以上大きくすると、従業員との時間が持てないし、何よりベリーダンスの縫製に時間がかけられないから」と言い、儲けることよりも、自分の好きな裁縫の仕事に没頭している方がギュルセレンさんにとっての幸せなのだなと感じさせれられました。


 

トルコ「グランドバザール」
アルバム
   市場のセレクト写真集
見所紹介
   市場を通して見えてくるものは?
番組内容
   グランドバザールをご紹介
制作こぼれ話
   撮影現場の裏話満載!
市場で働く女性
   老いも若きもがんばってます
お国自慢レシピ
   簡単でおいしい逸品を伝授します