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| プラット国際空港 |
幻想的な世界・グエル公園 |
人々で賑わうカテドラル |
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| ヨーロッパ大陸で西部のイベリア半島に位置するスペインは面積50.6万平方キロメートルと日本の約1.3倍です。スペインと日本の時差は8時間遅れです(日本の正午は、スペインでは明け方の4時)。通貨はヨーロッパ共通のユーロを使用します。1ユーロ約118円(2002年3月現在)です。カスティージャ語、バスク語、カタルニア語、ガリシア語と4つの言語が使用され、国民の大多数はカトリック教徒です。今回の取材のため降り立ったバルセロナ・プラット国際航空は、スペイン第2位の商業都市バルセロナ市から南西に約10kmほど離れた場所にあり、いつの時期でも多くの観光客でごった返しています。空港の外壁には、画家のピカソやミロ、天才建築家ガウディを生んだ都市に相応しいお洒落なペインティングが施されています。 |
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| 絵画のお店が集まる |
のどかに時が過ぎていく |
本を読む絵描きさん |
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| 独創的な絵は、見るものに好奇心を持たせてくれる |
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バルセロナのゴシック地区にあるピー教会市場では、毎月第1、第3の土曜日・日曜日に市場が開催されています。市場の雰囲気はどちらかというと「物静か」な感じで、あたかも時間がゆっくりと流れているかのようでした。市場の半分は、絵画市、もう半分は自然食品市です。絵画市のお店はぞれぞれ絵の表現に個性があり、観光客は思わず立ち上がり見入ってしまいます。絵画にはカタルーニャ地方の景色、自分の空想の世界、人物像など独特な世界が描かれています。どこのお店でも絵描きさんは、絵を売るのに躍起にならず、気ままに本を読んだり、友達と立ち話しをしたりとマイペースです。絵描きさんの1人は「市場に来るのは月に数回だから、絵を出すのは、自分にとっては商売というよりも展示会のようなもの」と教えてくれました。 |
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| 小さなビンに入ったパテ |
カリッと香ばしい、カルキニョーレ |
ビタミン、ミネラルたっぷりの蜂蜜 |
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| 自然食品を扱うお店も、仲の良い店員同士で喋っている姿を見かけます。ヨーロッパで欠かせないのがパテ(パンにつけて食べる)です。パテは動物の肝臓を材料にするのですが、種類はダチョウ、ニワトリ、イノシシ、ブタ、アヒルと様々で、中にリキュールが少々入っています。100グラム1.8ユーロ(約214円)で1年間保存がきくそうです。スペイン伝統のお菓子カルキニョーレは小麦、ミルク、卵、砂糖、アーモンドを混ぜ合わせて作ります。ワインと一緒に食べ、硬いビスケットのような感じでカリッと香ばしく、アーモンドがいっそう美味しさを引き立てます。カルキニョーレは糖尿病にも良いと言われています。値段は大きい袋に入ったもので3.01ユーロ(約355円)、小さいのは2.1ユーロ(約248円)です。店員さんは「小麦の遺伝子組み換え問題があるので、ウチのカルキューレは自然の小麦を使用しているよ」とのこと。その他にも、甘くてコクのある手作りチョコレートが2.42ユーロ(約83円)です。日本では滅多に見かけない、蜂の巣が入っている蜂蜜もありました。「ビタミン、ミネラル豊富な蜂蜜だよ。紅茶に一匙入れると、良い香がするよ」と説明してくれました。蜂蜜は市場の人気商品の一つです。市場できれいにパッケージされた山羊のチーズを売るお店を見つけました。お店で働く男の人の名はジョルディ−・コンセロ・コマさん(49歳)。お店の前を歩く人に「どうぞ、美味しい山羊のチーズですよ」という具合に声をかけ、爪楊枝に小さなチーズを刺して試食を勧めています。試食してみると、確かにクリ−ミーな美味しいチーズでした。1つのチーズの大きさは、大体直径10cm程度です。スペイン人のチョットしたおつまみといわれるチーズに興味をもち、ジョルディ−さんから山羊のチーズ作りを拝見させていただくことになりました。 |
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| 爪楊枝の先に刺したチーズを試食してもらう |
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| 山羊のチーズ |
岩山に囲まれたクルア村 |
放牧される山羊の群れ |
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| 車で険しい山道を走ること2時間半、バルセロナとサラゴサの間にあるレイダ県、クルア村にジョルディ−さんは暮らしています。ここの住人達は総勢10人と極めて小さな村です。回りは見渡す限りに清々しい山の景色が広がっています。都会の生活に飽き飽きしていたジョルディ−さんは、自然に囲まれて暮らしたいと考え、26年前に教会を改築して、クルア村を興し自給自足の生活を始めました。最初の頃は便利な都会暮らしに慣れたジョルディ−さんには、理想とかけ離れた厳しい現実が待っていました。たとえば大切に育てているウサギ、ニワトリ、ブタを鷹にさらわれてしまったり、水はいちいち遠い川からバケツで汲んで来なければならない等々、その苦労は筆舌に尽くしがたいものがものがあったとのことでした。そうした日々の暮らしの中でいろいろ試行錯誤を繰り返し、今日に至っているそうです。ある時、クルア村の岩山の麓で、冷たい空気が吹き出す場所を発見、一種の冷蔵庫のような役割を果たすので、チーズ作りに適していると判断して、山羊のチーズ作りを始めたそうです。現在では2歳から10歳までの山羊250匹を飼っています。山羊が運動不足にならないように、毎日3〜4時間放牧しています。山羊は山に生えている草を食べたり、木で角を研いでいました。山羊の乳の出は5月〜6月が特に良いそうです。1日1頭から約2.5リットルの乳を搾り取りチーズにします。飼育の要点は、山羊を常に落ち着かせ小屋を清潔に保ち、ホルモンの分泌を良くする栄養の高い餌を与えることです。山羊にも個性があるそうで、臆病だったり、活発だったりと、それぞれ性格が異なるので各山羊に合わせて飼育するのが大事だと話してくれました。死んだ山羊は土に埋めるか、山に住んでいる鷹に食べてもらうようにしているそうです。 |
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| 出来あがったチーズ |
カビのついたチーズ |
二人で順序良く作業する |
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| 作業場では、マリアンへレス・モルテ・マエストロさん(47歳)がジョルディ−さんとチーズを製造します。最初に絞ってきた山羊の乳に塩をかけて、チーズの原型を作ります。山羊の胃袋には凝固成分が含まれており、それを乳に加えて1日経つと、かたまりになります。出来あがったものをかき回し、チーズと水分に分離させます。分離したチーズだけを取り出し、残った水分は捨ててしまいます。取り出したチーズを布でくるりと巻き、丸いプラスチックの型にはめ込みます。最後に圧縮機でチーズを6、7時間圧縮したら完成です。後はチーズを夏だと1日、冬だと2〜3日乾かします。作業場で使われているプラスチックの型や圧縮機はジョルディ−さん自らが作ったものです。まさに正真正銘、手作りのチーズです。種類は2種類あり、柔らかくてクリ−ミーなスワデ・クルアチーズと、固く味の強いセントル・クルアチーズがあります。チーズを薫製にする小屋に岩山の冷たい空気を入れ、熱を冷ましてチーズの温度を一定に保ちます。この倉庫にチーズを1ヶ月程度寝かせるとチーズにカビが生えてきます。カビが生えてくると、チーズの水分を一定に保つようにひっくり返します。カビは自然発生に任せ、一切人工的な種付けは行なっていません。店頭に出す際には、チーズの周りについているカビを落とし出荷します。 |
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| 満足な仕上がりにご機嫌な二人 |
市場で働くジョルディーさん |
自家製の山羊のチーズ |
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| インタビューのなかでジョルディ−さんは、「物がないから不自由かというと、それは違うよ。物がないからこそひとつひとつの有難味が分かるのだし、物があふれているという暮らしが人に幸せを運んでくれるとは限らないだろう」と語っていました。一度来てくれたお客さんがまた足を運んでくれると、本当に満足感と喜びを感じると言っていたジョルディ−さん。スペイン、バルセロナを訪れる機会がありましたら、「最高のチーズ作りのためには、努力を惜しまないよ」と語るジョルディ−さんの極上のチーズを是非お試しください。 |
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