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山頂の聳え立つアルハンブラ宮殿 グラナダの街の景色 グラナダ市内
ヨーロッパ大陸の西部にあるイベリア半島に、日本の約1.3倍の国土面積をほこるスペインがあります。人口約4000万人近くにのぼり、首都はスペイン中央に位置するマドリードです。特産物はワイン、オリーブ、小麦にバレンシアオレンジが有名です。スペインは17の自治州に分かれ、カスティージャ語、バスク語、カタルニア語、ガリシア語と4つの言語が使用され、国民の大多数はカトリック教徒です。標準時間は日本より8時間遅れ(日本のお昼の12時が、スペインでは明け方の4時)です。通貨はヨーロッパ共通のユーロで、1ユーロ約118円(2002年3月現在)です。スペインイベリア半島は8世紀初めに、イスラム教徒が侵入し居住地としました。イスラム支配のもと、スペイン南方にあるグラナダにはアルハンブラ宮殿という、イスラム文化の集大成といわれている宮殿が築かれました。アルハンブラとはスペイン語で「赤い城」という意味です。宮殿はキリスト教勢力の侵攻により1492年に落城、約800年近く栄華を誇ったイスラム支配の歴史に終止符が打たれました。現在では世界遺産に指定され、多くの観光客が訪れます。グラナダは未だにイスラム文化の面影を残し、イスラム文字のバスや店の看板を街中で見かけます。グラナダは人口約30万人の都市で、特産品は革製品やイスラム時代からの手工業が盛んで、お土産店では、革製の手持ちバッグや肩掛けバッグを安く購入できます。食品類は穀物、オリ-ブ油、果実、野菜類が産物です。グラナダとは果物の「ザクロ」という意味で、街のシンボルとなっています。

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魚介類を買うお客さん 親切なお肉屋のお兄さん 色とりどりが揃う
グラナダでは2年前に行政主導で、1つの室内市場を完成させました。元々は露店だった一部のお店を、室内の市場に移動させました。室内市場に移ったお店と、そのまま露店として残ったお店とに分かれましたが、室内市場と露店地区一帯をサン・アグスティン公設市場といいます。室内市場では、地元の人が世間話をしたりと、静かにのんびりと買物をしています。雰囲気としては、地元の人の憩いの場といったところでしょうか。市場建物には縦と横に3本ずつ通路があり、お店は約50店舗あります。お客さんがお店を判別しやすいように、冷凍食品(CONGELADOS)、魚屋(PESCADERIA)、肉屋(CARNCERIA)、果物屋(FRUTERIA)、食料屋(COMISTIBLES)の5業種別に配置されています。肉屋が一番多く、牛肉、鶏肉の他に、ソーセージや近くの村から運ばれてきた羊の肉もありました。魚屋には、活気溢れる店員さんの掛け声が飛び交い、新鮮な魚が次々と売れていきます。珍しいのはパカラオというタラの一種を干したもので、一晩水につけ小麦粉をまぶし揚げて食べます。冷凍食品は野菜のニンジンやインゲン、グリンピース、魚介類はエビ、貝類が売られています。果物屋は果物のバナナ、リンゴ、キューイ、イチゴに野菜のピーマン、トマト、キュウリ、など日本でも良く見かける食べ物が揃ってます。

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人通りの多い野外市場 木桶に揃えられたアレンカス  
室内市場から外に出ると、そこは多くの人が行き交う細い通りです。通りには果物類、衣料品、お土産店等の露店が出ています。珍しい食べ物は、イワシを干したアレンカスという干物です。木桶の中いっぱいにアレンカスがきれいに円形状に並べられ、オリーブで味付けされています。1キロ6ユーロ(約708円)です。

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グラナダ陶器のみを取り扱うお店、CAPRICHO DEL ARTESANO
(気まぐれな工芸品屋さん)
お店でグラナダ陶器を売る
フランシスカさん
店内の天井にもグラナダ陶器が
置かれている
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積み重ねられたグラナダ陶器
グラナダ地方で名産として挙げられるのが、グラナダ陶器です。伝統工芸品として世界的に有名な陶器品で、グラナダの象徴であるザクロの絵が描かれています。とある一軒のお店で、ニコニコと愛想良い一人の女性がグラナダ陶器を販売していました。お店の名前はCAPRICHO DEL ARTESANO(気まぐれな工芸品屋さん)。女性の名前はフランシスカ・ガルシア・ファブレさん(38歳)。聞けばグラナダ陶器を自宅で製作しているそうです。グラナダの市場にお店を構えたのは今から6年前で、以前は他のお店に卸売りをしていたとのことです。人気の商品は、お皿と水差しで、他にもティーポットや植木鉢も置かれて、女性客が多く訪れるそうです。店頭にはグラナダ焼きの大小様々なお皿を何枚も束にして重ねて置いていました。店内の棚にはお洒落な水差しや花瓶、ティーポット、植木鉢が並び、どれも高級感があり品質も良さそうです。「陶器作りを是非見に来てください」ということで、自宅にある作業場を拝見させていただくことにしました。

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成型の型をとった陶器 轆轤(ろくろ)で陶器を成形する 釜戸に置かれた陶器
自宅では、兄のアントニオ・ガルシア・ファブレさん(46歳)が陶器の型取りと焼く作業をし、陶器に色を塗るのが案内してくれたフランシスカさんと娘のアイダ・ブレシア・ガルシアさん(20歳)、ファブレさんの妻のトゥリニ・ガルシア・ルイスさん(46歳)の3人です。伝統のグラナダ陶器は陶土をバレンシアから運んできます。土をまず成型の型をとるための機械にかけます。丸い鉄の棒を上から下ろしプレスして成型します。その後、数時間置いてから、型を作るため陶器を回転させる轆轤(ろくろ)にセットします。グルグルと高速で回る陶器を手で成形しながら、指で細かな線を描きます。この時手に鯨のアブラを塗り、陶器の滑りをなめらかにします。非常に繊細さを要求される作業ですので、集中力が必要となります。ファブラさんは「力を入れ過ぎると陶器が崩れてしまうので、少しずつ指で線を描くのがコツ」と説明してくれました。次に1000度に熱せられた竃(かまど)の中に、陶器がくっつかないように入れ8時間素焼きします。

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釉薬を塗るトゥリニさん 陶器に色を塗るアイダさん 絵付けされた花瓶
焼きの時間を終えると、次に色塗りです。最初に奥さんのトゥリニさんが、乾いた陶器に釉薬(マレーシア産シリコンクリスタルの白い液体)を塗り、それを乾かします。乾いた陶器にトゥリニさんら女性3人が、銅の入った絵具で模様を描いていきます。絵具の種類は青と緑の2種類あり、グラナダのシンボルであるザクロの絵が描かれると、ようやくグラナダ陶器らしくなってきます。丁寧に丁寧に1つ1つ心を込めて塗っていきます。塗りを終えると最後の本焼きのため、1000度に熱せられた竃(かまど)に再び8時間入れます。完成すると鮮やかに彩色が浮かび上がり、陶器の肌は真っ白となります。
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陶器の形を作るアントニオさん 絵付けを撮影させてくれた
フランシスカさん(左)、
トゥリニさん(真ん中)、
アイダさん(右)
 
主人のアントニオさんは7歳から仕事を始めました。最初は経済的な理由で始めたのですが、今では伝統工芸に携われるのを誇りに思っているそうです。仕事は辛いことや楽しいことがあり、経験を積むことで自分の人生にプラスとなっているそうです。辛いことは真夏日にも、高熱の竃(かまど)で仕事をしなければならないのと、家庭が仕事場なので息が詰まってしまうことがあるそうです。逆に良いところは、一緒に過ごす時間が長いので家族の絆が深まるのと、安定した収入により、ゆとりある生活を送れることが何よりも安心感を与えてくれると語ってくれました。マヌエルさんはグラナダ陶器の仕事を23歳から始めました。以前は販売の仕事をしていたそうです。そこで商売のコツを覚え、兄のアントニオさんからの誘いもあり、家族と共に働く道を選びました。陶器に絵柄を描くのは、自分の思いを伝える1つの手段であり、お客に陶器に込められた思いが伝わるとうれしいのだそうです。伝統あるグラナダ焼きを、これからも家族揃って守り続けて欲しいと思いました。


 

スペイン「サン・アグスティン公設市場」
アルバム
   市場のセレクト写真集
見所紹介
   市場を通して見えてくるものは?
番組内容
   サン・アグスティン公設市場
   /アルカイセリアをご紹介
制作こぼれ話
   撮影現場の裏話満載!
市場で働く女性
   老いも若きもがんばってます
お国自慢レシピ
   簡単でおいしい逸品を伝授します